こはにわ先生 東京へ(1) | こはにわ歴史堂のブログ

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朝日放送コヤブ歴史堂のスピンオフ。こはにわの休日の、楽しい歴史のお話です。ゆっくりじっくり読んでください。

2月16日、テレビ朝日の「Qさま!!特別編教科書の新常識&秘密全部教えますスペシャル!」に出演させてもらいました。

収録の日は、うまい具合に、大雪と大雪の日の間でしたので、よいお天気にめぐまれました。

むろんスタジオでは、お天気など関係はないのですが、舞台裏やVTRが回っていないときなど、出演者のみなさんとも少しお話もできてうれしかったです。

一番、最年少の入山杏奈さん(AKB)は、忙しいアイドルのお仕事の合間に、今、しっかりとお勉強されていて、その話を聞いたこはにわは、「えらいね~、がんばってね」と思わず声をかけてしまいました。(こはにわは一応、学校の先生をしているので、ついつい学生さんを応援したい気持ちになってしまいます。)


最年長の草野仁さんの世代と最年少の入山杏奈さんの世代では、教科書の記述は劇的なぐらい変化しました。


番組の中で、「最古の人類」ということで、サヘラントロプス=チャデンシスの話が出てきましたが、これなどは、若い世代の中でも「格差」があり、現在の高校生はまだ教科書には紹介されていないので、高校生などでも「え? そんなの知らない」と思った人たちもいたはずです。


ただ、地理での川の話もそうなのですが、最大とか最長とか最古とかは、もうあまり説明しないということになっています。

「変わる」からです。

最古の人類すなわちアウストラロピテクス、という理解ではなく、


猿人→原人→旧人→新人


という段階の中で、「最古の段階は猿人で、その代表例がアウストラロピテクス」という“理解”でよく、それぞれの代表例として、シナントロプス=ペキネンシス、ネアンデルタール人、クロマニョン人、と、紹介していくわけです。

ただ、猿人のスタート地点が、400万年前から、700万年前へと古くなり、その“最先端”が今のところ、サヘラントロプス=チャデンシスとなっています。


わたし自身も、授業ではこの段階論で説明していて、とりたてて、一番最古は何だ、とはあえて紹介しません。中学生に教えても、高校生になっていたら「変わる」かもしれないからです。


世界史の話になりますが、「最古」といえば、草野仁さんの世代では、「世界最古の法典」として


ハムラビ法典


と習ったハズなんです。

それから、リピトイシャタル法典が最古と言われ、今はさらにウルナンム法典となり…

今は「世界最古の法典は何ですか?」という問いはしなくなりました。


蛇足ながら、名称も「ハムラビ法典」とは今は申しません。


ハムラビ法典

ハムラビ法典(ハンムラビ法典)

ハンムラビ法典(ハムラビ法典)


そして今の教科書は


ハンムラビ法典


だけの表記に変化しました。ところが、さらにさらに、今、オリエント史家の人たちで「ハンムラビ法典」と言われる方はほとんどおりません。専門書では、


ハンムラピ法典


と、なっています。ハンムラビ王は、ハンムラ「ピ」王に変わりました。


さて、日本史でも、日本の「最古」も大きく変わりました。


最初、日本には「旧石器時代は無い」とされていました。

ところが、相沢忠洋さんが、関東ローム層から、打製石器を発見して、日本にも縄文時代の前、旧石器時代があった、ということになりました。

土器は無いけれど、打製石器を使っていた人がいた、ということになったのです。


猿人→原人→旧人→新人


の四段階は、(新人末期については説が分かれますが)、すべて打製石器の使用です。

ですから、日本では、どこの段階まで人がいたのか? という議論があり、「明石原人」の発見以来、原人がいたでしょ、と、なっていたのですが、今では、港川人・浜北人が、新人であろう、ということになり、あとは縄文人だろう、ということになっています。


「教科書が変った」といえば、日本の考古学界を激震させた“事件”を忘れてはいけません。

実は楽屋裏では、伊集院光さんがこの事件を記憶されていて、「あれはびっくりしたもんなぁ~」と、熱っぽく語っておられました。

その事件とは…


(次回に続く)