第14回は、「こんな武将もおったのにゃ~」の回で、島津義弘、松永久秀、吉川経家の三人にスポットを当てました。
松永久秀。この人物も、戦国時代の中で、特異な色彩を放っている人物です。
にゃんたのマル秘ファイルでもとりあげたことがあるルイス=フロイスの『日本史』の永禄4年(1561年)の記事では、
「天下の最高権力を握って天下を支配し、五畿では、彼が命令したことでなければ何も動かず、高貴な人たちが数多く彼に仕えていた。」
と、記されています。最初、みたとき、え? 織田信長のこと? と思ったほどです。外国人の目からみて、松永久秀は、「天下人」だったわけです。
織田信長や豊臣秀吉が主人公の物語やドラマですと、松永久秀の扱いはかなり低く、重要な役割を果たしていたはずのところで登場しないんですよね…
信長が、朝倉氏を攻めに越前に出撃したとき、それまで同盟を結んでいた(自分の妹お市を嫁に出していた)浅井氏に裏切られ、挟み撃ちの危機に陥ります。(金ヶ崎の戦い)
ドラマでは、いちはやく危機を察した信長が逃げ出し、殿(しんがり)をつとめた秀吉や、鉄砲隊を秀吉にさずける明智光秀、そして秀吉を助ける徳川家康、という“豪華メンバー”が総出演、ということになるのですが、松永久秀の巧みな交渉で近江の朽木谷の朽木元綱を寝返らせ、信長の撤退を成功させる、という場面は
けっこう無視されているんですよね…
「商人、あるいは僧侶から身を興し、有力な大名にとりいって勢力を伸ばし、やがて主家を上回る力を持つようになった。」
というと、たいていの人は斉藤道三を思い出します。
でも、これ、松永久秀の略歴でもあります。
「主家を乗っ取り、将軍を追放し、寺院を焼き討ちした。」
というと、たいていの人は、一族の長、織田信友を倒し、将軍足利義昭を追放し、比叡山延暦寺を焼き討ちした織田信長を思い出します。
でも、これ、三好家を乗っ取り、将軍足利義輝を追放し、東大寺を焼き討ちした松永久秀の略歴でもあります。
松永久秀は、戦国ヒーロー、斉藤道三と織田信長、二人分の逸話を背負った男だったんです。