コヤブ歴史堂のオープニングで、軽くゲストの方が自己紹介をされます。
この回のゲストは、宇都宮まきさんと、ヤナギブソンさんでした。
コントの中で、スーパーマラドーナさんたちが、「~って、誰が興味あんねんっ」という言葉を連発されているので、なんのことかな?と思っていたら、ゲストのヤナギブソンさんのギャグだったんですよね。
子どものとき、吉本新喜劇も色々なお笑いが大好きでよく見ていたのですが、ほんとに最近は見られてなくて、コヤブ歴史堂に出させてもらってから、「お笑いも再勉強」させてもらっています。
ところで、この番組の冒頭で、ヤナギブソンさんが、
「時代劇のドラマに出るなら藤原実盛の役がしたいです。でも、そんな人はいません。」
と、みなさんを笑わされたのですが、なんと、
藤原実盛
は、実在の人物です。平安時代の末期、白河法皇につかえた武士で、院を警護する「北面の武士」をつとめました。
白河法皇は、自分の警護の武士たちを検非違使(都の裁判官と警察官を兼ねた役職みたいなもの)にどんどん抜擢していき、法皇自らの命令でなくては彼らが動かないようにして、警察・司法機構を乗っ取ってしまったんです。
政治の実権を奪い取る方法。
総理大臣がいて、各省の大臣がいて、その省には官僚がいて…
でも、それとは別の組織が他にあったとします。その組織に属している人が、官僚になり、大臣になったりすると、タテマエでは総理大臣の下で働くことになりますが、その自分が属している別組織の上司、その別組織の長が、こうしろ、というとその命令で動くことになりますよね。
総理大臣は飾りになってしまうでしょ。
白河法皇は、自分の部下を律令のいろいろな役職につけていく。そうして、本来なら摂政や関白の命令で動くはずの組織が、白河法皇の命令でなければ動かなくなるわけです。
摂関政治を骨抜きにして、自然な形で、院政が宮中を乗っ取ることになるんです。
地方の役人、中央の官僚、裁判官、警察官… これらが知らない間にみんな一つの政党の党員になっていると、上司よりも党首の言うことをきくようになるでしょ?
ヒトラーの独裁政治もそういうもので、政治組織をそのままに、すっぽりとナチスが乗っ取ることが可能になるわけです。
律令制度の機構をそのままに、白河法皇党が乗っ取る… 摂関政治と院政の二重支配の様子も、こう説明するとちょっとわかりやすくなりませんか?
さて、藤原実盛さんは、その象徴のような人で、白河法皇の手下として北面の武士から、検非違使となり、やがて中央の組織に入った後、讃岐国(香川県)の国司となり、河内国(大阪府の一部)の国司になり… と、出世していきます。
で、たいした手柄もないのになぜ出世?となっているのですが、どうも白河法皇の「お気に入り」つまり男色の相手だったようです。
思わぬところで、藤原実盛の名前が出てきて、笑ってしまい、解説のときに「いや、藤原実盛さんて、実在していますよ~」と言いそうになりました。
大岡越前の話が進行している間、ふと、白河法皇が始めた院政のことを思い出していました。