何以笙簫黙第 11 章 應暉(4) | アジアドラマにトキメキ!

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第 11 章 應暉(4)

空港から出た時、默笙が言う

「應お兄さん、あなたと話し合いたいことがあります」

應暉には勿論彼女が自分と何を話し合いたいのかわかっていて言葉を繋ぐ

「ちょうど私も君に手伝ってもらいたいことがあるんだ」

 

應暉の両親がアメリカに息子に会いに来る

期間を一か月として・・・

先日、無意識で自分がすでに結婚をしてる口ぶりを顕わにした息子のため。

應暉はその両親の対処を默笙に手伝ってもらう

 

時期は丁度いい

默笙の学業は終了していつでもN市を離れられ、應暉の会社は全て起動に乗って比較的暇な時間が多く取れるようになっていた。

 

默笙がカルフォルニアに到着した後、初めに就職先を探すが残念なことに中国人ということに加えて女性の身は何度も彼女を挫折させた。

 

應暉は自身の人脈を使って手助けするつもりでいたのに默笙は拒否をする

「應お兄さん、あなたは私を随分と助けてくれました。でも私はあなたにずっと頼るわけにはいきません」

 

默笙がこれまでずっと自分の経済上の援助を受け取らなかったのを應暉は思い出し、引き続き昔の恋人が別れ際に自分に言った言葉を思い出し、思わず身に染みて感じる

默笙は何か考えるところがあるような彼を見て

「應お兄さん、何を考えているんですか?」

應暉は笑っていう

「いや、ただ”誇り”という言葉を改めて理解したんだ」

默笙にはわからない

疑わしく思って彼を見ても再び問い詰めることはしない。

 

 

應暉の両親が来る前に、先にバレンタインがやってきた。

ただ應暉は決してロマンチックな性質ではなく、默笙に至っては完全にその方面を考えていなくて、それゆえに彼らは少しの後ろ暗さもなく過ごす。

バレンタインの夜、應暉は二階の書斎で国際電話を受けた後、一階に下りて来た時にソファーに座る默笙が目に入る

手で頭を支え、ノートパソコンを膝の上に乗せて彼が下りて来たのを全く気付かない。

 

角度の関係でちょうど默笙の目の端の煌めくものが目に入る。

 

どんな悲しい映画でも観ているのかと思って通り過ぎながら振り返って見ると、ただのありふれたウエブページに過ぎなく更にそれは彼が最も良く知っているSOSOの検索ページだった。

 

検索キーワードは彼がまだ聞いたことがない名前――何以琛。

 

默笙はやっと彼に気が付いて急いで振り向いたので頬の涙を完全に拭うのも間に合わない・・・

彼女はパソコンを閉じ、立ち上がると頭を下げて自身のつま先を見つめて少し困惑げな様子でいる。

 

應暉はすぐに理解して

「彼・・・」

一言いって止まり、しばらくは何を言えばいいのかわからない。

 

默笙は頭を上げて彼を眺める

涙で洗われた目は格別に澄んで内面の愁い事を應暉にははっきりと見透かされてしまい

「應お兄さんはどんな人が好きだったんですか?」彼女は尋ねる

「ああ」應暉は一拍遅れてやっと答える

「私には昔C大に恋人が居た。とても聡明でその上とても美しい」

「私の恋人もとても凄い人でした」

默笙は低くい声で言う

「えっ?」應暉は無理に笑って

「君の恋人は運が悪い、私はいいな」

 

結局のところ彼は今、ただ君にとって”昔”に過ぎない

 

默笙は逆に彼の話をすっかり誤解して、恐らく自分の恋人を自分が探していることが運が悪いと應暉が言っていると思い、少し不服そうに言う

「私もそれほど悪くない・・・」

 

應暉は説明をしないまま慌ただしく二階の書斎にやって来ても仕事をする気になれなくなった。

 

ひとたびこの名前を見てしまうと生活の至るところでその名前に出くわすようになる

その日から始まって――

默笙は時々、上の空で何以琛と呼び

默笙は口元に訳の分からない微笑みを浮かべて何以琛と呼び

默笙は突然、冷ややかに何以琛と呼ぶ

 

・・・・・・

 

默笙は頻繁に彼とこの名前を持ち出し始め、終にその人の事を話すことが出来る人を見つけ出したようで

その人がどれくらいどれくらい聡明なのか

その人がどれくらいどれくらい有能なのか

 

・・・・・・

 

應暉は当然、気持ちが苛立つ

 

ただ彼は彼女がその人の事を言う時の心の中の傷と物寂しさを目にした時、心の苛立ちは忍びない物へと変わって更に馴染みのない痛みを伴う。

前々から、たとえ默笙がただ自分を”兄”とみなしていると知っていたとしても、應暉は相変わらず落ち着いている感じかする。彼女の身近には彼よりさらに優れた人が現れるはずがないと彼は信じていたから慌てなくてもかまわないと。しかし今、この気持ちは消えて應暉ははっきりと默笙が心の中に築いた氷の壁を感じ、その氷の壁は全ての曖昧なものを外に排除した。

 

彼は何時までもただの”兄”としての役割なのかもしれなくて

 

應暉は次第に落ち着かなくなり出した。

 

だからその夜が訪れて、長い間溜めていた感情のせいかわからないが・・・

一時、制御不能となった。