何以笙簫黙第 9 章 恆溫(5) | アジアドラマにトキメキ!

アジアドラマにトキメキ!

中国古装ドラマと原作小説、韓国史劇とその小説をこよなく愛するそこそこ年齢を重ねたおばちゃんのブログです

第 9 章 恆溫(5)

電話は《秀色》の女性編集者がインタビューの件について掛けてきた。

葛麗が初めて彼にこの事を提起したら以琛はすぐに取次を断ち切った。当時、これは默笙の勤め先との考えによってだ。恐らく口調にはまだ硬さがあるのだろう、葛麗もすぐには言い出さない。

 

今の以琛はやはり遠まわしに抵抗をする

「申し訳ありません。陶さん。女性雑誌の表紙の人物として現れるには、私は相応しくないと思います」

「何弁護士の職業に寄るイメージが問題ですか?実は私達の雑誌社が作りたいのは都市の独身エリートのシリーズで、あなたの職業に対しての客観的公正な評価です。あなたの職業イメージを損なうことはあり得ないと私は完全に信じています。この方面で、何弁護士は私達雑誌社の前期の康加年先生の報道について見ることができます」

陶憶靜は説得をあきらめない。

 

独身?

 

以琛はキーワードを見つけて穏やかに話す

「陶さん、私は恐らく貴社の独身の要求に当てはまらない。つい先日結婚したんです」

 

相手側が明らかにぽかんとしてる内に、数言の型通りの挨拶をして電話を切った。

気を静めて会合の資料を見ていると携帯電話から点々とした音がし出し、短いメールが黙笙から来た。

 

――――「以琛、今晩は何食べる?」

 

以琛は短いメールを送る

 

 

 

彼は大学の頃が忘れられない。

携帯電話はまだ高額な消費品(消費者個人の欲望を充たすために生産された財)で、貧しい学生の彼には当然手が出ない。だからメールを送る全盛の時期を逃してしまった。仕事をし始めてから携帯電話を買ったが電話を掛けるのが習慣になっている。

明瞭、明確、端的。

稀に以琛が短いメールを送ってくるが、彼には一字一字打つ余計な時間がなくて、決まって直接電話で返して彼女に何か用か尋ねていた。そして、次第に以玫のメールも少なくなった。

 

 

 

今は携帯電話を手に持って、とても根気強く一字一字入力する。

 

――――「君は何が食べたい?」

 

送り終えてちらっと時間を見てもまだ三時半になっていない。

如何にも趙默笙スタイルだな・・・

昔、一緒にランチを食べて食堂を出てから彼女はすぐに彼を引っ張って相談をする

「以琛、私らは夜に何を食べる?」

 

 

 

すぐに返事が返って来る

――――「以琛、家で食べるのはどうかな?」

――――「君が作るの?」

――――「yes!!」

幾つかの感嘆符が打ってある。以琛の返信が間に合わないうちに、默笙は最高に心細い一つのメールを彼の携帯電話に送ってきた。

――――「でもね、話によるとあまり美味しくないらしいの」

 

誰が美味しくないと言ったんだ?あの人?

 

以琛は携帯電話の短い一言を目にして心が波立つのが避けらずに、指はすぐに止まりかなりの時間が経って簡単で短い一文字を返した。

――――「好(いいよ)」

 

默笙の信念は十分な様子ではあるが、ただ経験を告げてもやはり期待しすぎてはいけない。

 

退勤して家に戻り、キッチンで黙笙が最高に不器用な姿でジャガイモを細く切っているのが目に入ると、以琛には全くがっかりとした感覚がない。

食卓に開いた彼女の手帳を見かけ、サイトには大きな赤色の文字のタイトル

【スペアリブの甘酢あんかけの作り方】

時にたまらず頭を横に振って、溜息を吐くのと同時に可笑しくなる。

 

歩いて行き、彼女の手の中の包丁を奪い取るとジャガイモを細く切る手が慣れている。

默笙は大きな目を見開いて彼の身体の動きを見て、大きな打撃を受ける

「以琛、どうして料理を作ることが出来るの?」

まだ彼女は生活の手段を与えられていない。

「俺は十歳でおばさんの料理の手伝いを始めた」

「あっ」

この手慣れた包丁の扱い方は、間違いなく長い間やっていたからこそなんだろう。黙笙は突然、悲しみが胸にこみ上げてくる。自分自身が過ごした、自ら働かないで何一つ不自由のない生活をしてた頃、以琛は独りぼっちで他人の厄介になっていた・・・

「もし、早く知り合っていたならよかったのに・・・」

 

腕を伸ばして背後から彼を抱きしめ、頭を彼の肩にもたせ掛ける。

 

「以琛、私に教えて。これからは私があなたのために料理をして食べるの」

 

――暖かい抱擁――

 

最後にあの僅かに滞っていた気持ちが全て彼の心の底から蒸発する気がした

 

そういう事だ・・・

以琛は思う

過去のそれは既に永遠に過ぎ去って、もう二度と昔を気に留めることはない。

彼は既にこんなにも年月を積み重ねていて・・・

 

それほど、幸せになるのが待ちきれない。

 

 

____________________________________

 

何時もご訪問ありがとうございます

これで第9章は終わりになります

次回から10章にはいります

インフイの下りが長くて・・・中々と先に進まないの・・・😢

 

 

衣来伸手飯来張口

    ↓

服を与えられれば手を伸ばして着、飯を与えられれば口を開いて食い

    ↓

自ら働かないで何一つ不自由のない生活をする