何以笙簫黙第 9 章 恆溫(2) | アジアドラマにトキメキ!

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第 9 章 恆溫(2)

事務所は最近、連戦連勝をしている。

毎週行われている定例会議後、誰もが例外なくニコニコと笑い散会するのを躊躇っている。ねだられて捲き上げられるのは明らかで、三人の大弁護士はため息を吐く。

袁というこの経営者は又、愛情の変わりの賑やかさに出会い大胆不敵に大手を振って気前よくしゃべる。

 

「OK、OK、OK、お祝いに何処に行くか君たちで勝手に話してくれ。全ての費用は君らの何弁護士が丸っと負担する」

 

長いことやって来て彼は人のお金を使って気前の良いとこを見せるのか?

会議が終わった後、それまでしゃべっていなかった以琛が口を開いて簡潔に

「理由」

「まだ理由がいるのか?」袁氏はコミカルな表情をして

「お前はまさか知らないわけじゃあるまい?古くから殺されるのは全て功労者だろ?手柄を大きくふんだくればふんだくるほど始末が速くなるんだよ」

もっともだ。以琛は教えを受けて頷き始末されるのを認める。

 

皆が喜んで声を上げ、熱心な話し合いが起こる。

意見はまとめられてないが高い物を選んで拾うことは極めて一致していて、向恆は聞きながら以琛に対して首を振って言う

「覚悟しとけよ」

以琛は笑ってどうということもない。

 

長いこと話してもまだ最終決定には至らずに、騒がしい声の中から突然誰かの申し出を聞く

「私達は何弁護士の家がどんな感じなのか行ってみたくない?」

会議室はすぐに静まり返って全ての目は発言した人に向かって行く。それは事務所に実習に来た小高。

皆の目は全て彼女に注がれて、元々は開けっ広げの女子学生もきまり悪さが表に出る。

「私・・・私は思うんだけど、どこか別の場所に行くよりは何弁護士の家に行って火鍋を食べたいんです。自分たちでやった方が有意義じゃないですか?」

 

彼女の説得に皆も心が動くけれど、うまく調子を合わせて大騒ぎはできない。

事務所の三名の大弁護士の袁氏を除いては、毎日可笑しくて笑ったり面白がるのは礼儀正しくなくて、他の二人は実際のところ上手く親しく出来なく、とりわけこの何弁護士は前からずっと公私混同をしないので、仕事以外は何時も三つの疎外を帯びている。

 

しかし、何弁護士の家・・・見に行きたい。

 

「そうそうそう」袁氏は突然太ももを一回たたいて

「俺は何で考えもしなかったんだ、お前の家は充分にでかい。お前の家に行くのがちょうどいい。俺たちは気楽に食べれるじゃないか。どうだ、お前に二言はないな」

袁氏がこう一説するといやがうえに期待してみんなが以琛を見る。以琛は彼らの渇望する視線に笑わせられ、黙笙が明日やっと帰ってくるのを思い出す。今日は自分自身のために呼び寄せることをしてもいいだろう。

頷いて言う

「君らが安すぎると思わないのならば、俺は来訪を歓迎するよ」

 

 

車は静かに走っている。

 

小高は助手席に腰を下ろし、興奮を隠すのが難しい。

 

皆に任務を割り当て、他の人は火鍋の食材を買いに行き、彼女と何弁護士は先に戻って準備する。一人でよ!今日は確実に彼女にとっての幸運な日。

もう一度、何弁護士をこっそりと見て、彼の凛々しくとても素晴らしい横顔は思わず小高の顔を赤くし胸をドキドキさせる。だけど何弁護士の後ろに就いての初めての実習は後数日もない。

彼女はすでに何弁護士がどれだけ優秀で正直な男性かを良くわかっている。さもなければ一人の男性に魅了させられることは全くありえない!

 

「何弁護士はどんな女性が好きですか?」

小高は好奇心から身を乗り出して尋ねる。一種の学生っぽい無邪気さと度胸がある。

 

以琛は笑う。若い女学生の問題でただ尋ねられたにすぎない。

 

「何弁護士にもわからないんですか?」

小高は気落ちして言ったが努力する目標がなくなったわけじゃなく、益々励む

「何弁護士、人を好きになったことは?」

常に理知的で無関心のような何弁護士が好きになる人の様子を想像してみる。

彼も優しいのかな?

想像するのは難しいな

 

「もちろん」

この質問に対してとても多い答えが返ってくる。

「あっ・・・」

いたんだ!

小高はうらやましく思えて聞く

「その方はきっととても優秀な人ですね」

「いや、正反対だな」以琛は頭を横に振り

「彼女は少しも優秀じゃない・・・勉強している時はいい加減な成績で、一日中遊んでばかり。大変忘れっぽいたちで充分に頭痛に種だった」残念なことに今もまだこんなで、何処に行って彼女が生かされてきたのかもわからない。

 

なんだ・・・彼女の推測はちょっと外れている

「その彼女はとても綺麗だったんですか?」

以琛はふっと笑って客観的に言う

「悪くはない。でも、彼女より美しい人は多い」

「それならきっと上品なんですね」

小高の口調はとてもポジティブだ。

上品?とんでもない!

以琛の溜息が漏れる。

「彼女はうるさい」

 

何年も目を閉じると騒ぎ出す彼の耳の近くで彼女が「以琛以琛以琛」と、呼ぶ声を聞くことができる。しかし、目を見開いても一片の無だった。

彼女を恨むのはその時から始まった・・・

 

小高はいぶかる

優秀でなく、さして美人でもなく、何弁護士の口ぶりからすると上品な人でもないらしい・・・

「それじゃあ、何弁護士はどうしてその方を好きになったんですか?」

 

どうして?

 

以琛にも理解できない。

 

もしかしたら彼の空虚な魂をよく騒ぐ声で満たしたのかもしれない

もしかしたら明らかに彼女は自分で勉強するのがいやなのに無理に彼の相手をして支えていたのかもしれない。結果はうっかり寝てしまい、よだれで彼の刑法書が半分濡れて染みたが。

もしかしたら彼女自身が英語の四級が受からなかったから、なおも喜んで巻き添えになって彼は六級を優秀な成績で取り祝えたのかもしれない。

しかし彼女は彼に酷く悲惨に教え導かれた。彼はこれを思い返す・・・その時彼女は酷く哀れに手を挙げて次回の四級は必ず合格すると誓った。絶対に恥はかかせないと・・・

残念なことにその後、もう二度とそのチャンスはなかった。

 

頭を傾けて実習生の若い女性は彼の答えを待っている。

以琛は微かに微笑んで極めて仕方ない様子で

「その時の俺の目は良くなかったんだな。好きになったらどうあっても好きなんだ。やむを得ない」