流氷にのってオハイオ川を渡った母親の話は、周知の事実である。下巻に描かれている「プルー」の話は、作者の実弟が当時ニューオーリアンズのある大きな工務店 大田区 商社で集荷係をしていたころ、彼が実際にその目で観察した事件なのである。同じ出所から、農園主レグリィの性格が描き出されている。この人物について弟は、集荷のための出張で、その農園を訪れた時のことを語りながら次のように書いている。
その男は実際、私にその拳をさわらせた。鍛冶屋のハンマーか鉄の小節のように堅かった。そしてその男は、黒ん坊を殴り倒しているうちに、たこができてこんなに堅くなったのだと言った。私はその農園を出た時、ほっとしてため息をついた。まるで食人鬼の巣窟から逃れ出た思いだった。トムのあの悲劇的な運命についてもまた、その何倍にも及ぶ同様の事件が起こっているのであって、それを証言する生き証人はこの国の至る所にいるのである。