米国がイランに対して大規模な攻撃に踏み切る可能性は高まっており、中東情勢はさらに悪化する。 もはや今回の問題は、一時的な地政学リスクではない。 世界のエネルギー供給と物流の要衝である中東が不安定化すれば、その影響は確実に世界経済へ波及し、日本経済も直撃する。
私は、今日から日経平均株価は大きく下落すると見ている。 それは単なる悲観論ではない。日本はエネルギー資源の多くを中東に依存しており、情勢悪化は原油価格の上昇、物流コストの増大、企業収益の悪化、消費マインドの冷え込みを同時に招くからだ。株式市場は常に先回りして動く。つまり、市場はこれから起こる経済への打撃を先に織り込みにいく。
とくに警戒すべきなのは、今回の下落が単発では終わらない可能性が高いということだ。米国の攻撃が現実のものとなれば、次に意識されるのはイラン側の報復である。報復が連鎖すれば、軍事衝突は局地的なものでは済まなくなり、ホルムズ海峡をはじめとするエネルギー輸送ルートへの不安が一気に強まる。 そうなれば、原油やナフサの供給懸念が一段と深刻化し、日本の産業界に大きな打撃を与える。
企業にとって本当に恐ろしいのは、単なる株安ではない。エネルギー価格の上昇と供給不安によって、製造業、物流業、小売業、飲食業など幅広い業種でコスト増と収益悪化が進むことである。特に中小企業や個人事業主は、大企業のように十分な余力を持っていない。 わずかな原材料費の上昇、物流費の高騰、資材不足でも経営は一気に苦しくなる。これから先、倒産件数がさらに増えていく可能性は極めて高い。
市場はこうした現実を敏感に読み取る。だからこそ、週明けの株式市場では売りが売りを呼ぶ展開になりやすい。 投資家心理が崩れれば、下落は一時的な調整では終わらず、底なし沼のように下値を探る展開になっても不思議ではない。 楽観視してよい局面ではまったくない。
多くの人は中東情勢の悪化をまだ遠い世界の出来事のように見ているかもしれない。しかし、経営者にとっては決して他人事ではない。 私自身も経営者だからこそ、今回の事態を強い危機感をもって見ている。中東の軍事衝突は、日本の株価、日本企業の収益、そして私たちの暮らしそのものに直結する重大問題である。
週明けの日経平均株価の下落は、その危機の始まりにすぎない。 問題の本質は、これが単なる市場の動揺ではなく、日本経済全体を揺るがす深刻な局面の入口であるという点にある。