慢性子宮内膜炎~どこまで治せばよいの? | クイズで学ぶ不妊診療最前線~愛/AIなんだ

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これまで着床不全やPGT-A(胚染色体解析)の問題を取り上げてきました。時代は流れ、今や人工知能が診療に取り入れられるようになってきました。この大きな変革の中で、生殖医療専門医の立場から不妊症・生殖医療全般にわたって自身悩み考えながら学習していく記録です。

広州から

833カップルを対象にした後ろ向き研究 

 

問題 PGT-A正常胚盤胞移植に先立ち

慢性子宮内膜炎(chronic endometritis, CE)

と診断された女性に抗生剤治療を行った

CEなし群、

CE完治群(CD138陽性間質形質細胞:0個/HPF)、

CE軽快群(CD138陽性間質形質細胞:1-4個/HPF)

の妊娠成績を比較した結果で

正しいものは次のうちどれか?

 

1 CE軽快群とCE完治群では、CEなし群に比べて初期流産率が低かった

 

2 CE完治群では、CE軽快群とCEなし群に比べて初期流産率が低かった

 

3 CE完治群、CE軽快群、CEなし群の間で初期流産率に差はなかった

 

4 CE軽快群では、CE完治群とCEなし群に比べて初期流産率が高かった

 

5 CE軽快群とCE完治群では、CEなし群に比べて初期流産率が高かった

 

正解は↓↓ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正解 5 CE軽快群とCE完治群では、CEなし群に比べて初期流産率が高かった

 

出典:Qingyan Zhang  Reprod Biomed Online. 2023 Oct 13;48(2):103611.

 

CE軽快群+完治群ではCEなし群に比べて

68%初期流産率が高かった 

さらにCE軽快群ではCE完治群に比べて

2.2倍も高かったという 

 

CE病理診断において

CD138陽性間質形質細胞密度の基準値の設定は

要の問題だが未解決

 

この研究では5個/HPF以上でCEあり

として治療しているが

この基準は折角のPGT-A正常胚移植周期の

流産予防の観点で機能していないと考えられる 

 

CEの診断範囲を

もっと広げる必要があるように思える 

 

後ろ向き研究によるバイアスに注意

 

 

今日の一曲:

The Radiants -

 (Don't It Make You) Feel Kind Of Bad  

ところがモーリスは突然グループを脱退してしまい

ソロ→コンビと活動を進める 

以降Mitchell Bullockがおもにリードを採ることに 

ミッチェルも実に魅力的なシャウターで

この曲などは本当にソウルフルでグッとくる!!!

 

レイディアンツ特集はこれにて一旦終了

だが独立したモーリスの作品も含め

このグループには

随時ご登場いただく予定です