平成10年、父が株で大損した。

借金を返すために、事務所と住屋を売りに出した。

事務所は平成10年、住屋は平成11年に売れた。

住屋が高く売れたおかげで、借金を返して尚お金が残った。

 

住屋を建てた時の借金は母の退職金でほとんど返したと聞いていた。(はずなのに)

事務所は根抵当が設定されていたことは知っていた。

住屋は抵当か根抵当か今記憶が定かではない。

が、根抵当が設定されているとはいえ、どうしてここまでのお金を投資に使えたのかよく分からなかった。

 

ある日母と話していたら、こんなことをが出てきた。

清巳「住屋の借金はお母さんの退職金でほとんど返しとったんやろ。」

良美「退職金はね、お父さんに全部渡したんよ。私は世の中のことに疎いからお父さんが上手く使ってねと。そしたらお父さんは、私の名義の借金を全部残して、自分の名義の借金を私の退職金で返したんよ。」

 

その時はただ、父は他人(夫婦でも))のお金で自分の借金を返して返済義務から逃れたのかと思った。

もちろん父の行為に腹は立った。

「自分のお金やろ、どうしてそんなことをしたん?」と母に言った。

母は無言だったと記憶している。

 

心理学や精神医学を勉強していた私は、母がおそらく依存性パーソナリティー障害であることは以前から確信していたが、この話に関しては母にもあきれるばかりであった。

 

そう言えばと思い出した父の話が有った。

「借金と言うのはな、それを返したら銀行に信用ができて、もっと多額の借金が出来るようになるんや。」

そう得意気に話していたことがあった。

その時期は母親の退職後の時期にあたる。

 

話は変わるが、それよりも数年前、

「事務所の借金の借り換えをしたら、今の方が金利が安いけん総支払額が減って家族みんなが助かるんじゃ。お前が連帯保証人になってくれたらそれが出来るんじゃが。」

と言われて、何の疑いも無く借金の連帯保証人になった。

その時の話では、借り換えたお金で今残っている借金を一気に返済するという話だったと思う。

 

それらの話を総合して考えると、父は一切白状しないが、株式投資の資金の工面をどうしたかは察しが付く。

 

最初は私に

「今、金利が安くなっているので事務所の借金を借り換えたら家族みんなのためになる」

と言って私を連帯保証人にしてお金を借り換えた。

借りたお金の中で、前の借金の返済に充てた分の残り、おおよそ1000万円を元手に株を始めたのだろう。

初めは株の利益でパジェロを買ったようで、

証券会社の担当者に「初心者でこんなに稼いだ人を見たことない。」

と言われたと自慢していたが、それで気をよくしてかどうか、

次に、母が父に預けた退職金でいったん住屋の父名義の借金を返し、

再び住屋を担保にして父が借りなおしたお金。(もしかしたらその時住屋も根抵当を設定したかも)

そして母の退職金のうち、父名義の借金を返した残りのお金もあったかもしれない。

それらを足して資金を増やして株を続けた。

結果はすべて失ったどころか、矢内電気の儲けた分を突っ込み、無担保で借りれる銀行ローンの最高額のおまけがついていた。

 

父の二郎に激しい憤りを感じはしたが、同時に恐ろしくもなった。

今回家が売れたから借金を返すことが出来たが、そうでなければ連帯保証人になっていた私に借金の全額の返済の責任が向けられたかもしれない。

株の大損の後も、父の二郎は自分が再び働いてお金を作ろうともせず家で寝てばかりだった。家を売る算段も私がしたのである。二郎は責任を取るつもりは全く無いように見えた。

そればかりではなく、家を売るようになる責任が私にあるように周囲にうそぶいていた。

今迄も何でもかんでも都合の悪いことが起こると私のせいのように周りに言いふらしたり、騙されていいように使われたりもしたが、実害(金銭的)はほぼなかった。

今回のことで、今までのように二郎に翻弄されているままでは、いつ自分に大借金を背負わされるか、犯罪者にされるか(脱税を私のせいにされたことがあった)分からないと思うようになった。

 

私は父の二郎から、真剣に自分の身を守らなければならないと思い立った。

最初にしたことは二郎の今までのやり口の細かい分析である。

相手の攻撃?パターンを知り、、何故自分がいつも負けるのか、つまり騙されたり利用されたりしているかを知るということである。

詳細は次に

 

 

 

 

平成10年、父が株で大損した。

借金を返すため、事務所と住屋を売りに出した。

事務所は平成10年、住屋は平成11年に売れた。

その頃のある日の会話である。

 

ある日の会話①

 

清巳「結局いくら負けたんよ?」

二郎「わしは未来だけを見て、過去を振り返らない男やからそんなことは言うつもりはない。」

清巳「・・・・・・・」

二郎「家を二軒売ったら返せたんやけん・・・」

清巳「いや、そういうことじゃないやろ。お母さんの退職金は何処へ消えたん?矢内電気だって僕が一人で切り盛りしとったときの儲けは何処に行ったん?」

二郎「お前も会社の経理に関わっとたんやけん分かっとろが。矢内電気は儲かってなかろが。」

清巳「会社の経理はあんたが『この売り上げを抜け、あの売り上げを抜け』というて、儲かってないように帳簿を書き換えただけやないか。じゃあ、あの抜いたお金は何処へ行ったん?」

 

上記の件はもちろん脱税である。

父の指示でそういう帳簿をつけていたが、、税務署が入ったときに、

「息子が経理をしているので私は解りません。」

と言って自分は逃げて、私のせいにされた。

私はいろんな意味で反省したものだ。

結局私は一切経理をしなくなった。「社長の言うことが聞けんのか。」と言われ、もめくり返したが。

 

私の問いに父はこう答えた。

二郎「ああ、あれは無いことにした金じゃろが。無いことにしたもんは、初めから無かったんじゃが。無かった金なんやから、今更無いなった金じゃないじゃろが。」

 

はらわたが煮えくり返った。なんちゅう屁理屈か。

税務署に見つかったときには、自分が指示したと言わずに息子が経理をしたのでわかりませんと責任転嫁、

株で無くしてしまったら、そんなもんは初めから無かったとうそぶく。

 

清巳「帳面上なかったことにしても、自分の手元には入ったじゃろが。」

 

 

ある日の会話②

 

流石の二郎も反省しているのかと一瞬思ったことがあった。

 

何の話から始まったかは覚えていないが、

二郎「わしは、お母さんやお前が働いた分をどぶに捨ててしもうた・・・・・」

と言ったことがあった。顔を見ると涙が出ていた。

父が涙を流したのは初めて見た。何かかわいそうな気になってしまって、

清巳「まあ、そう言うなや。」と口に出た。

 

そう言った次の瞬間

二郎「おう、わしは事業に失敗しただけじゃ。株は博打じゃないんじゃ、事業の一環じゃ。事業をしよったら失敗することもあらい。わしは何にも悪うないんじゃが。」

涙を流す父の姿は既になく、ふんぞり返った父がそこにいた。

 

え、???? なにこれ

あれは(涙を流して反省したような姿)本音?

それとも私に庇うような言葉を言わせるための芝居?

 

心理学的には解釈できるものだが、私の感情は納得しなかった。

 

 

 

 

 

平成10年、父が株で大損、借金返済のため事務所と住屋を売りに出した。

平成10年、事務所が売れた。

平成11年やっと住屋が売れた。

住屋が高く売れたため、借金返済して1000万円ほど残った。

母との会話の中で、信じられない話が出てきた。

残った1000万円を、父の二郎が全額自分の通帳に入れたというのだ。

母の退職金で住屋の借金(株の大損のだいぶん前に)を既にかなり返していたことは知っている。

それなのに、株の件では何の落ち度もないはずの母の手元に何も残らず、なぜ父が残った1000万円を全部取るのだ。

私の頭の中では道理が通らない。

で、父の二郎に意見した。

 

清巳「お父さん、住屋が売れて1000万円残ったんやろ。良美さん(母)から聞いたよ。」

二郎「おう、ほうよ。」

清巳「ほうよじゃなかろ。良美さんがそもそも退職金で元々の住屋の借金返しとったやろ。そやのに良美さんの手元はゼロで、何で全額自分の通帳に入れとんよ。本来1000万円全額良美さんに渡して、『足りんけど、すまんのう。』じゃないん?」

二郎「わしだって返したいんじゃ。返したい気はやまやまじゃけど返せんのじゃ。」

清巳「自分の通帳に入れた1000万円があるじゃろ。それを返したらええんじゃないん。そんでもって『すまなんだな』と謝って、後のことはそれから考えたらええんじゃないん。それでお母さんもいかんとは言わんと思うよ。」

二郎「それが出来んのじゃが。」

清巳「????なんで?・・・普通預金やろ。自分の通帳から出して、良美さんの通帳に入れたらええだけやん。」

二郎「わしだってお母さんに返したい。けど、お母さんに返すためには金が足りんのじゃ。」

清巳「・・・何の事?」

二郎「今の金額では、お母さんがつぎ込んだ退職金の金額に足りんのじゃが。」

清巳「だから言うとるやないの。1000万円をまず返して、それからまた普通に働いたら。」(この時二郎60歳前半)

二郎「返さないかん全額から1円でも欠けたら返せんのじゃ。」

清巳「・・・はあ???」

二郎「世の中とはそういうもんなんじゃ。」

清巳「世の中では誰に聞いても僕の言うことがおうとると言うと思うよ。」

二郎「お前とは考え方が違うんじゃのう。」

清巳「考え方の違いじゃないやろ。する気があってきちっとするんか、屁理屈言うて全くする気が無いんかということじゃろ。」

清巳「とにかく、良美さんに返して。」

 

すると二郎はこう言い放った。

二郎「わしだって、食うていかんといかんのじゃが~」

 

この出来事から数日後、母に会った。

お金の一部を返してもらったと言っていたが、いくら返ってきたのかは聞かなかった。