子どもが授業中に教室から出て困ってしまう時にできること | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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子育てに役立つ情報をお届けしています。

こんにちは。
子育てコーチング協会インストラクターの浜田悦子です。
発達グレーゾーンの講座を担当させていただいています。
 

 

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子どもが授業中に教室から出て困ってしまう時にできること

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今日は、

子育てコーチング協会主催の講演会

すまいるママ塾に寄せられた、

こちらのご質問にお答えします。


**ここから**

息子(小学2年生)もグレーゾーンで、

これから医療機関での診断を受けたいと思っています。

授業中によく外に出てしまうので、困っています。

これからどのように対応すれば、

息子が落ち着けるのか、

学校以外の道を考えた方がいいのか悩んでいます。

 

どうぞ宜しくお願いします。

 

**ここまで**


ご質問、ありがとうございます。


座って授業を受けなくてはならない学校で、

このような状況が続くと、

どう子どもに言ったらいいのかな?

この先もずっとこのままなのかな?

と不安になってしまいますよね。


もしかしたら、

担任の先生からも毎日連絡があったり、

「ご自宅でもしっかり言い聞かせてください」

などと言われたりすることもあるかもしれません。


今日は、

教室から抜け出すお子さんに

起きている可能性があることと、対処法をお話しします。


3歳の時に自閉スペクトラム症と

診断がついた現在小学6年生の息子も、

未就学から小学校2、3年生くらいまでは

教室を途中で抜け出すことがありましたが、

4年生くらいから、

座って最後まで授業を受けられるようになったんです。


息子の事例も紹介しますので、

ぜひ最後まで読んでみてくださいね^^



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教室から出てしまう子どもの原因と対処法

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授業中なのに、教室から出てしまうお子さんには、

  1. 感覚過敏がある
  2. 授業が分からない・つまらない
  3. ヘルプサインが出せない


という、大きく3つの原因が隠れているかもしれません。



ひとつずつ、お話ししますね。
 

  1. 感覚過敏がある



「感覚過敏」というのは、主に五感が関係しています。

今回は、

ひとつひとつの詳しい説明は省きますが、

例えば、この場面で考えられることは、

聴覚過敏があり、教室のザワザワした音が耐えられなくて出てしまう・・・

なんてことがあるかもしれません


わたしの息子も、赤ちゃんの頃から

スーパーやおもちゃやさんなど

ザワザワしたところが苦手でした。


幼児教室などに行っても、

泣き出したり、耳をふさいで

脱走やパニックを繰り返したりする子でした。


はじめは息子の感覚過敏に気付けずに

無理矢理その場にいさせようとしましたが

学びを深めるにつれて、

逆効果なんだと気付くことができました。


また、嗅覚(臭覚)過敏があり、

匂いに敏感で給食の匂いがすると

気持ちが悪くなってしまう・・・

ということがあるかもしれません


他にも、椅子の座り心地や

体操着の着心地が不快(触覚過敏)

ということも考えることができるかもしれません。


教室から出てしまう時は、

何の教科の時?何時間目が多いか?

を観察することで、

今まで見えなかったことが見えてくるかもしれません。



  2.授業が分からない・つまらない
 

  • 授業が分からない
  • 先生の指示を聞き取れない・説明が長い
  • 授業が分からない

などの原因も隠れていることがあります。



そのため、暇になったり

つまらなくなったりして

教室から出てしまう、ということもあるかもしれません。


また、

  • ノートの取り方が分からない
  • 宿題を書き忘れてしまう・・・


など、息子のような課題を

お持ちのお子さんもいらっしゃるかもしれません。


わたしたちにとって

「できて当たり前のこと」でも、

小学生ってまだまだサポートが必要です。


指示の理解や授業の理解度を

観察してみてくださいね。



  3.ヘルプサインが出せない


「ヘルプサインが出せない」とは、

「教えて」「助けて」「手伝って」などが言えないことです。


そんなこと子どもは分かってるはずだよ~!

と思うママもいらっしゃると思います。
が、言語化できていないお子さんが、ほとんどです。



1.感覚過敏がある にも、

2.授業が分からない・つまらない

にも、「ヘルプサインが出せない」が、大きく関わっています。


この「ヘルプサイン」を出すことができたなら

自分だけしか分からない耐えられない感覚や

困った状態を言語化することで、

先生だけでなく周りのお友達の理解も

得ることができるかもしれません。


お子さんは、

「教えて」「助けて」「手伝って」が言えていますか?^^

少し振り返って、考えてみてくださいね。



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「ヘルプサイン」を出せる様になる方法

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ヘルプサインは

「出しなさい」と言って出せるようにはなりません


まずは、子どもの困った行動の原因を

探していかなくてはならないんです。


ちょっと面倒に感じちゃいますよね


でも、その方法はとってもシンプル!

「子どもの話を否定せずに最後まで聞く」

という、ママが今すぐ自宅でできることなんです。


お子さんに困った行動があると、

つい困った行動に対するお説教っぽくなっちゃうんですよね。


わたしも、そうでした。
(方法はシンプルだけど、やろうと思うと難しい…^^;)



息子が脱走することを、

言い聞かせたり、止めたりして

その場にいられるような対処しかしませんでした。


でも、
「今日は何があっても最後まで否定せずに、息子の話を聞くぞ!」
と自分で決めて息子の話に耳を傾けた結果、

「朝のお歌の耳がいたい!」

「お昼寝が嫌!」

「エプロンの紐が結べない」

など、嫌なことを教えてくれるようになったんです。



その後は、先生とも連携をとり

教室から出てはダメではなく、

「苦しくなったら教室を出て(クールダウンして)戻ってこようね」

というサポートを継続した結果、

小学4年生くらいからは教室から出ることはなくなりました。


とはいえ・・・

感覚過敏が治った訳でも、

分からないことがなくなった訳でもないんです。


それはきっと、息子の中に

「苦しくなったら逃げて良い場所」や

ヘルプサインの成功体験」が

積み重なって、「安心感」が増えたのだと思います。


子どもの困った行動を見ると、

早く解決しなきゃ!とか

次はなんて注意すればいいのだろう?

と考えがちになってしまいます。


それがダメという訳ではなく、

お子さんが特性とうまく付き合っていける方法を、

一緒に考えていけるといいですね^^



※発達グレーゾーンの講座は、

次回は来春に開催します。ぜひ楽しみにお待ちください
 

 

子育てコーチング協会
インストラクター 浜田悦子