「ぼく、手術しようかな」・ 親が決めつけていること | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)のブログです。
子育てに役立つ情報をお届けしています。

「ぼく、手術しようかな」


こんにちは。

子どものこころのコーチング協会

インストラクターの浜田悦子です。



わが家には、3歳の時に自閉症スペクトラムと診断された

小学4年生のむすこがいます。

自閉症の診断がつく少し前、むすこに斜視があることもわかりました。



眼科の主治医からは、以前から手術を勧められていましたが、

むすこの返事は、ずーっとNO。

ですが、ここに来て、むすこの意思で 5月に手術をすることが決まりました。



今日は、このことについて、感じたことを記事にします。




・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o

斜視との付き合い

・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o


斜視があるとわかったのは、むすこが3歳になる少し前です。

右目がずれることがあるなぁと、わたしが気付いたのがきっかけでした。

近所の眼科を受診し、その後、子ども医療センターを紹介していただきました。



大きな病院を紹介していただいたのは、とても運が良かったと感じていましたが、

この病院がとにかく自宅から遠いのです。

電車とバスを乗り継いで、片道2時間ほどかかります。



さらに、予約をしていても待ち時間が長く、輪をかけて、わがむすこは自閉症。

わたしにとっては、修行に行くようなものでした。




・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o

診察室から脱走・癇癪

・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o


この頃 むすこは、

・急な予定変更
・周りの音がうるさいこと
・見通しがないこと

主に、このような原因でパニックを起こしていました。


むすこが持っていた、障害特性ですね。



特に、検査においては、今まで経験したことがない点眼がありました。

検査では、目薬が不安なむすこを安心させようと、

看護師さんが 説得したり なだめたりしてくれます。



でも、看護師さんが言葉を重ねれば重ねるほど パニックになり、

検査室から脱走し 廊下の真ん中で泣き叫んでいました。



泣きたいのは、わたしの方だ。



そう、こころの中でつぶやきながら、

この先のむすこの成長と 自分の子育てについて

不安に思っていたことを今でも覚えています。




・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o

「 ぼく、手術しようかな 」

・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o


このような様子が続いていたので、わたし自身

この子には手術はムリだと思っていましたし、

むすこ自身、小学生になっても

「 手術はこわい、やりたくない。」

と言っていました。



ところが、去年の11月。

むすこが急に

「 ぼく、手術しようかな 」

と言い出しました。



きっかけは、夫の手術でした。

夫の指にできた腫瘍のことで、家族で入院や手術の話をする機会が増えました。



何気なく、麻酔についての話をしていたら、急にむすこが

「 手術って、麻酔するの? 」

と聞いてきたのです。



わたしたちは、

「 そりゃ、もちろん。

 麻酔がなかったら、痛くて我慢できないよ。」

と答えました。



どうやらむすこは、

“ 手術の時は麻酔を使うことができる ”

ということを知らなかった様子。



このように、わたしたちには当たり前の知識でも

教えてもらわないとわからない

ということも、発達障害のひとつの特性です。



  手術に麻酔・・・

  こんなことも知らなかったのかぁ。

  教えていなかったもんなぁ。


と、がっかりする気持ちもありましたが、


この知識を知ったことで 手術を決めたむすこを見て、

本当は、むすこはもっと早くに 手術をしたかったのではないか?

と、感じることがありました。




・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o

一番気にしていたのは、本人。

・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o


斜視とは、黒目の部分が大きく右(左)に外れていたり

または、目の中心に寄っていたりする症状です。



斜視の手術は、その黒目が大きく外れている角度を

筋肉の操作によって調整していきます。



視力が良くなる訳ではありませんが、角度が変わることによって

今までより焦点は合いやすくなったり 疲れにくくなったりするそうです。



また、今まで外れていた角度が、中心に寄るように調整されるので

見た目にも影響があります。


眼科の先生が手術を勧める理由、主に後者の理由からでした。




“ 手術の時、麻酔を使うことができる ”

と知ってから、むすこは一度も考えを曲げません。



夫が横で

「 全身麻酔はつらいよ~ 」

と言っても、入院の夜、わたしの付き添いができないと知っても、

注射があると分かっても。



それくらい、むすこにとっては 重要な決断だったのだと思います。




・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o

親が決めつけていること

・*:..。o○☆*゜¨゜゜・*:..。o


そんなむすこの姿を見て、反省したことがありました。

それは、むすこの拒否する理由を 勝手に特性に結びつけて

手術はムリだろうと決めつけていたことです。



3歳で通い始めて7年も経っているのに・・・

もう、パニックになることも

検査を拒否することもないのに・・・

手術をする、と自分で選択できるようになったのに・・・。



むすこは、見た目も中身も発達していたのに、

わたし自身が子どもの成長を更新できていませんでした。



さらに気付いたことは、わたしが思っている以上に

自分の見た目を気にしていたのかもしれないなぁと感じました。



お友達に言われたのかもしれないし、

自分で鏡を見て気になったのかもしれない。

みんなの目は真っすぐ向いているのに、どうしてぼくだけ違うんだろう?と。



本当のところは、むすこにしかわかりません。



理由を聞いたら教えてくれるかもしれないけど、

手術という選択肢を選んだ

むすこを、精一杯サポートすることが わたしの役目なのかな?と思っています。


10歳の決断を一番近くで見守りながら、手術の成功を祈りたいと思います。



最後までお読み下さりありがとうございました。




子どものこころのコーチング協会

インストラクター 浜田悦子



・・・・・・・・・・・・

子どものこころのコーチング協会 HP

FBページ

・・・・・・・・・・・・