「ぼく、手術しようかな」
こんにちは。
子どものこころのコーチング協会
インストラクターの浜田悦子です。
わが家には、3歳の時に自閉症スペクトラムと診断された
小学4年生のむすこがいます。
自閉症の診断がつく少し前、むすこに斜視があることもわかりました。
眼科の主治医からは、以前から手術を勧められていましたが、
むすこの返事は、ずーっとNO。
ですが、ここに来て、むすこの意思で 5月に手術をすることが決まりました。
今日は、このことについて、感じたことを記事にします。
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斜視との付き合い
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斜視があるとわかったのは、むすこが3歳になる少し前です。
右目がずれることがあるなぁと、わたしが気付いたのがきっかけでした。
近所の眼科を受診し、その後、子ども医療センターを紹介していただきました。
大きな病院を紹介していただいたのは、とても運が良かったと感じていましたが、
この病院がとにかく自宅から遠いのです。
電車とバスを乗り継いで、片道2時間ほどかかります。
さらに、予約をしていても待ち時間が長く、輪をかけて、わがむすこは自閉症。
わたしにとっては、修行に行くようなものでした。
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診察室から脱走・癇癪
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この頃 むすこは、
・急な予定変更
・周りの音がうるさいこと
・見通しがないこと
主に、このような原因でパニックを起こしていました。
むすこが持っていた、障害特性ですね。
特に、検査においては、今まで経験したことがない点眼がありました。
検査では、目薬が不安なむすこを安心させようと、
看護師さんが 説得したり なだめたりしてくれます。
でも、看護師さんが言葉を重ねれば重ねるほど パニックになり、
検査室から脱走し 廊下の真ん中で泣き叫んでいました。
泣きたいのは、わたしの方だ。
そう、こころの中でつぶやきながら、
この先のむすこの成長と 自分の子育てについて
不安に思っていたことを今でも覚えています。
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「 ぼく、手術しようかな 」
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このような様子が続いていたので、わたし自身
この子には手術はムリだと思っていましたし、
むすこ自身、小学生になっても
「 手術はこわい、やりたくない。」
と言っていました。
ところが、去年の11月。
むすこが急に
「 ぼく、手術しようかな 」
と言い出しました。
きっかけは、夫の手術でした。
夫の指にできた腫瘍のことで、家族で入院や手術の話をする機会が増えました。
何気なく、麻酔についての話をしていたら、急にむすこが
「 手術って、麻酔するの? 」
と聞いてきたのです。
わたしたちは、
「 そりゃ、もちろん。
麻酔がなかったら、痛くて我慢できないよ。」
と答えました。
どうやらむすこは、
“ 手術の時は麻酔を使うことができる ”
ということを知らなかった様子。
このように、わたしたちには当たり前の知識でも
“ 教えてもらわないとわからない ”
ということも、発達障害のひとつの特性です。
手術に麻酔・・・
こんなことも知らなかったのかぁ。
教えていなかったもんなぁ。
と、がっかりする気持ちもありましたが、
この知識を知ったことで 手術を決めたむすこを見て、
本当は、むすこはもっと早くに 手術をしたかったのではないか?
と、感じることがありました。
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一番気にしていたのは、本人。
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斜視とは、黒目の部分が大きく右(左)に外れていたり
または、目の中心に寄っていたりする症状です。
斜視の手術は、その黒目が大きく外れている角度を
筋肉の操作によって調整していきます。
視力が良くなる訳ではありませんが、角度が変わることによって
今までより焦点は合いやすくなったり 疲れにくくなったりするそうです。
また、今まで外れていた角度が、中心に寄るように調整されるので
見た目にも影響があります。
眼科の先生が手術を勧める理由、主に後者の理由からでした。
“ 手術の時、麻酔を使うことができる ”
と知ってから、むすこは一度も考えを曲げません。
夫が横で
「 全身麻酔はつらいよ~ 」
と言っても、入院の夜、わたしの付き添いができないと知っても、
注射があると分かっても。
それくらい、むすこにとっては 重要な決断だったのだと思います。
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親が決めつけていること
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そんなむすこの姿を見て、反省したことがありました。
それは、むすこの拒否する理由を 勝手に特性に結びつけて
手術はムリだろうと決めつけていたことです。
3歳で通い始めて7年も経っているのに・・・
もう、パニックになることも
検査を拒否することもないのに・・・
手術をする、と自分で選択できるようになったのに・・・。
むすこは、見た目も中身も発達していたのに、
わたし自身が子どもの成長を更新できていませんでした。
さらに気付いたことは、わたしが思っている以上に
自分の見た目を気にしていたのかもしれないなぁと感じました。
お友達に言われたのかもしれないし、
自分で鏡を見て気になったのかもしれない。
みんなの目は真っすぐ向いているのに、どうしてぼくだけ違うんだろう?と。
本当のところは、むすこにしかわかりません。
理由を聞いたら教えてくれるかもしれないけど、
“ 手術という選択肢を選んだ ”
むすこを、精一杯サポートすることが わたしの役目なのかな?と思っています。
10歳の決断を一番近くで見守りながら、手術の成功を祈りたいと思います。
最後までお読み下さりありがとうございました。
子どものこころのコーチング協会
インストラクター 浜田悦子
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