「ただいま!かーらーのー、行ってきまーす!」
長男(小4)は学校から帰宅後、ランドセルを置くやいなや、ボールを持って外に飛び出していきます。
習いごとがない日は公園に向かい、友達と暗くなるまで遊び、クタクタになって帰ってくるのが日課。
元気なのはいいけれど…
帰宅後は宿題をしようと机に向かっても5分経ったら手遊び、ウロウロ、別の本に夢中…
「ほらほら!集中しなさい!」
昔の私は・・・ほぼ毎日注意していました。
息子は発達凸凹があります。
やるべき課題に集中できないのもその特性の一つ。
このことを知ったのは息子が小学三年生の頃。
今から一年半前になります。
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誰のための相談?
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私はこの一年半かけて発達相談のため4軒の病院を回りました。
どうして4軒も!?と思われるでしょうか。
診断名を受け入れたくないから、ではありません。
むしろ最初に診断を受けたとき。
「なんでもっと早い段階で特性を理解してあげられなかったのだろう?」
と何度も何度も後悔しました。
病院を探し続けた理由。
それは・・・
初診、セカンドオピニオン、サードオピニオンといろんな先生にお会いするたびに自分の中にあるモヤモヤが生まれてきました。
どの先生も真剣に“私の”話を聞いてくださる。
だけど・・・我が子といえども私は子どものすべてを分かっているわけではない。
せっかく息子も一緒に受診しているから、息子の話をもっと聞いてくれる先生がいたらいいなぁ。
診察だから親である私への問いかけが多くなるのは当然だと思います。
それでも・・・
私にとって病院は診断名をつけてもらうためではなく
・学校で困っていること等“今の息子”を理解してもらいたい
・迷ったり悩んだりしたとき彼にとっても私にとっても頼れる居場所を探したい
と感じていたのです。
そんななか、4軒目に出会った先生の「話を聞く」姿勢に驚いた出来事がありました。
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あなたに興味があるの!
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「初めまして!
あ、お母さん、横に座っておいてください。
息子さんとしばらくお話させてくださいね。」
診察室に入ったと同時に、先生は息子の顔の高さまで腰を曲げながら彼の話を聞いていきます。
「ええー!それは怖かったねぇ。」
「そっかそっか~。それは嫌だったねぇ。」
息子の言葉を丁寧に拾ってオウム返しをする先生。
「あなたに興味があるから教えて!」
先生のそんな気持ちが言葉だけでなく表情や仕草などの非言語からも伝わってきます。
最初は緊張して敬語だった息子も、次第に声のボリュームが大きくなり、表情も柔らかく安心している様子。
診察時にそんな彼を見たのは初めてで、なんだか私も心が軽くなりホッとしました。
病院を出る時。
「今日の先生、話を聞いてもらえて楽しかった」
ポツリと呟いた息子の顔はフフッと笑っていました。
「聞いてもらえた」という気持ちが安心感に繋がり、相手との信頼関係を築く土台になる、と講座でお伝えしていますが…
改めて「きく」力を体験した私。
息子だけでなく、私の心も安心感でいっぱいになりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
子どものこころのコーチング協会 インストラクター
佐々木明子
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