前回の記事の冒頭で、現在は、20年前と比較し、学生の就職活動においては、企業側は学生の専門性を重視する傾向にあります、と述べました。
今回はこの部分について解説します。
こんにちは。子どもの明るい将来指南役のひろです。
最近の企業における採用は、募集する職種と学生の専門性のマッチングを重要視します。
これって当たり前のことであり、20年前の採用の仕方がむしろ異常であったと言えます。
企業が専門性を重視する理由は簡単で、募集職種の専門性にマッチした学生を採用すれば、入社後の教育が短く済むからです。
現在は、その仕事を行うための基礎知識は身につけている前提で、その会社、その仕事ならではの専門的な教育から入っていくのが一般的になっています。
大学入学時に、理学部の化学科に入学した子が、入学後に、飛行機の設計に興味を持ったとします。
しかし就職活動時に飛行機を製造しているメーカーの門をたたいても、採用される可能性は限りなくゼロに近くなります。
理由は簡単で、理学部の化学科では、機械図面の書き方、読み方、機械設計についての知識、経験はないとみなされるからです。
これは紛れも無い事実です。
このように大学卒業後に、全く畑違いの技術系の仕事をするのは難しい状況です。
そういって意味で、お子さんには、できるだけ大学入学前に将来のイメージを持ち、その上で大学に入学してほしいと思います。
これに関係する昔話を1つ。
私は工学部の化学系の出身ですが、大学入学時に仲良くなった友達がいました。
その友達も私と同じ一浪で大学に入学しましたが、入学後、1ヶ月くらいで大学をやめてしまいました。
大学をやめた理由、それはなんだったのでしょう。
一言でいうと、「夢をかなえるため」でした。
その友達は本当は薬学部に入り、将来は製薬メーカーで新薬の開発をしたい、という明確なイメージ、夢があったのです。
工学部の化学系では、製薬メーカーに就職できたとしても、花形の研究職に就くことは難しい。
そんな事実と、せっかく一浪の末、入学できた大学だから、という葛藤に悩みましたが、その友達は夢をかなえることを優先したのです。
結局その彼は、もう1年、浪人し、1年後に見事薬学部に合格したところまでは連絡を取っていましたが、今はどうしてるかわかりません。
この出来事は、何も考えないでとにかく入れそうなところを受験して、入学した私にとって、考えさせられる出来事でした。
これから大学を目指すお子さんにも、大学を受ける前によく考え、将来のイメージを持ち、その上で大学の学部、学科選びをしてほしいと切に願うばかりです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。