虐待防止の方法を考えるドラマ【やさしい花】 | 子どもを守る目@関西のブログ

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このコミュニティーは、育児不安・育児困難を抱えた方をサポートしたい、そんな思いで生まれました。

「学ぶ会」「セミナー」「お茶会」などを通して、
子育てについて語り合い、学び合い、出会いや繋がりを作っています。

NHK大阪放送局の今年度のテーマ「子どもを守れ!」の一環で、
虐待防止の方法を考えるドラマ「やさしい花」の討論会に参加してきました。

放送予定のドラマのエピソードと、実際に体験された方のVTRを見て、
スタジオ討論が行われました。

参加者は、あさイチの有働アナ、
ジャガー横田さん、
未知やすえさん、
山梨県立大学の西澤悟(さとる)先生、

その他、虐待をしていた側、された側、子育て中のお母さんが参加して、
それぞれの立場からどう感じ、どうすれば虐待を防ぐことが出来るかを探っていきました。

約、4時間に亘り討論が行われ、立場や考え方は違うけど、
同じゴールを目指して、場が一つになって考えることが出来ました。

皆さんも是非、エピソードドラマ&討論、ドラマ本編をご覧になって、
どう感じたか、どうすればいいと思ったか、感想を教えてください。

社会全体で考えていきましょう。

以下、ドラマの脚本を書いてくださった安田真奈さんからのメッセージです。

↓↓↓

虐待のニュースを聞くたび、ママ友たちと、よく話します。

「子供を産むまでは、『虐待なんて信じられない!』と思ってたけど
、案外、紙一重なのかもね…」と。

この感覚、男親にはわかりづらいかもしれません。
男親は、長時間子供と離れて過ごし、仕事の区切りでリフレッシュ的に接するので、
24時間子供のペースに振り回される母親ほどは、育児ストレスを感じないようです。
もちろん、子供のタイプ、親の性格にもよりますが…。

そんなことを考えて続けていたら、
NHKから、児童虐待をテーマにしたオリジナルドラマの脚本依頼をいただきました。

来月放映の単発ドラマ「やさしい花」です。

関西放映

9/16(金)20:00

再9/17(土)10:05。

全国放映は10月予定です。

娘を虐待した経験のある母親(石野真子さん)が、
階下に越してきた若い母親(谷村美月さん)が虐待中であることに気づき、
なんとかして手を差し伸べたいと悩む、43分の物語です。

また、9/24の討論番組「もしも明日…我が子に虐待を始めたら」(全国)では、
30分ほどの谷村美月さん主人公バージョンを放映し、
虐待に至った経緯を描きます。(別撮シーン追加)


ストーリー構築にあたり、NHKスタッフと、取材・ヒアリング・意見交換を重ねました。

虐待をする母親(主人公が母親なので、母親に限定して書きます)は、
必ずしも特殊な、元から酷い人間ではありません。

多くの母親は、命がけで出産し、愛らしい名前を考え、一生懸命育てようとします。
がんばります。

しかし、家庭内不和や、経済的困難、育てづらさ、周囲からの孤立など、
さまざまな要因で精神的に追い詰められ、越えてはいけない一線を越えてしまうのです。

まじめに育児にとりくむあまり、しつけがいきすぎて暴力に至るというケースも少なくありません。

児童虐待は、一歩間違えれば陥るかもしれない、
すぐそばで起きているかもしれない、案外、身近なことなのです。

このドラマの主人公は、娘を施設に預けて暮らした過去を引きずっているので、
通報よりも、自ら隣人に向き合うことを優先します。

現実には困難な行動でしょう。

では、もしも隣人の虐待に気づいたら、即通報すべきなのでしょうか?
まずは声をかけるべきなのでしょうか?

虐待問題は本当にケースバイケースなので、「正解」はありません。

しかし…

昨年、大阪市西区のマンションで二児が置き去りにされて餓死した事件を思い出してください。

あの親子が孤立していなかったら、ご近所付き合いがあったら、
誰かがもっと早く虐待兆候に気付いて、二人は救われたのではないでしょうか。

蒸し暑い部屋に閉じ込められて、空っぽの冷蔵庫にいくつも手形をつけて息絶える必要はなかったのではないでしょうか。

あのマンションでは、事件の後、ご近所付き合いが始まっています。

たがいに顔も知らなかった住民同士が、日時をきめて交流するようになっています。

そうした動きは、あのマンションだけで終わらせてはいけないような気がします。

「ちゃんと育てているのか」と『隣人を監視』するのではなく、
普段から『ご近所として育児を見守る』。

挨拶を交わし、声をかけ、話をする。

そんな、昔なら当たり前の地域交流が、密室育児の悲劇を防ぐ一助となるような気がします。

重いテーマのドラマです。

見るのが辛い虐待シーンも多くあります。

私は脚本で「叩く」と書くだけですみますが、
撮影チームは、どうしたら「一線を越えた暴力」に見えるか、生々しさが表現できるか、
ぎりぎりの演出ラインはどこか、相当悩みながら取り組んだようです。
(当然、子役さんの撮影には親御さんや所属事務所スタッフが立会い、丁寧にケアしながら撮影をしています。虐待されて泣く芝居などは、本当にリアルで上手な子役さんです)

始まって数分で、気楽な娯楽番組にチャンネルをかえたくなる人も多いと思います。

異論、反論、批判、怒り、ツッコミ…さまざまなご意見が出るかと思いますが、是非、ご覧下さい。

「自分が隣人ならどうするだろう」
「近所の親子に挨拶くらいしてみようか」

そんな風に、このドラマが虐待防止を考える「きっかけ」になればと、心から願っております。

ご宣伝、よろしくお願いいたします。

■NHK「やさしい花」


■マイコミジャーナル 製作発表記事(※放映日程が古いです)


★最後まで読んでくださってありがとうございます★

転載・拡散・宣伝、大歓迎ですのでよろしくお願いいたします。

子どもを守る目@関西 辻 由起子

kodomo-mamorume@kansai.zaq.jp


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