子どもを守る目@関西のブログ

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このコミュニティーは、育児不安・育児困難を抱えた方をサポートしたい、そんな思いで生まれました。

「学ぶ会」「セミナー」「お茶会」などを通して、
子育てについて語り合い、学び合い、出会いや繋がりを作っています。

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今年も九州大学比良松道一准教授にお越しいただき「いばらき自炊塾」を開催させていただきましたウインク

 


自炊は医療、福祉、農業、環境、教育分野…様々な社会問題と密接しています。


普段の食事が家計や健康に直結するので、

自分の身の回りの課題が、世界の課題につながることを実感できます。
 

自炊をすると、消費者の目線から生産者の目線に立つことができます。

 

消費者の視点だと、「安い」「美味しい」「産地」「安全性」で食材を購入しますが、

生産者の視点に立つと「安い」を優先すると採算が合わなくなり、生産ができなくなることに気がつきます。

 

※いばらき自炊塾では市役所近くの土地をお借りして、みんなで畑もやっています。

 

自分でつくると、フードロス問題も、他人事ではなく自分事と感じられるようになります照れ

 

講座の中で、比良松先生の言葉から。

 

・子どもはチカラを持っている。

出来ないのではなく、大人が環境を用意しないからやらないだけ。

 

・知識の前に体験。体験を繰り返す。

 

・人間の成長は暗記のみにあらず。

 

・レシピがあっても伝承できない。レシピは万能ではない。

例えば「しょう油 大さじ1杯」

しょう油も、甘いしょう油、甘くないしょう油、様々な味がある。

味の記憶は言語化できない。

 

・料理はスポーツと一緒。

上手になりたければ上手なプレーヤーを沢山見る。毎日繰り返す。

 

・つくるところを見せたら、つくることを伝承できる。

 

・食べる人が、つくる人の気持ちがわかるようになる。

 

・残された時のつらい気持ちがわかるようになるから、残食が減る。

 

・他者を気にする人が増える。

 

・大人がやっていないことを、子どもはやらない。

大人が楽しんでやることが大切。

 

・自分が出来ていないのに、子どもにやれ!は、説得力がない。

 

・お金で解決する世界を見せたら、お金で解決する世界が伝承される。

 

・自炊できる人が増えたら世界はよくなる。

 

 

自炊塾のことが詳しく書かれた本が11月18日に発売されますラブ

自炊塾の醍醐味は、「習うより、慣れろ!」「考えるな、感じろ!」です。

スポーツと一緒で、まずはプロの実演を見て、学ぶことが大切です。

 

「調理実習」ではなく「調理実演」です。

 

まずは茨木高校入交先生のお味噌汁ラブラブ

 

 

続いて雁飯店大岩店長による餃子ラブラブ

 

なんでもそうですが、上手に出来る人から教えてもらわないと、上手になれません。

 

そして、一緒に畑をすること、一緒に調理をすること、一緒に食事をすることで、

お互いのことをより深く知ることができます。

 

大阪北部地震を体験した茨木市ですが、「日頃のお付き合いが大切」と実感させられました。

 

自炊塾は防災力アップにもつながりますキラキラ

 

自炊の奥深さが少しは伝わったでしょうか?

 

「茨木市にとって大切なことだから、若手職員に学んでもらいたい」と、

若手職員さんたちを出してくれた担当課の皆さま、ありがとうございましたお願い

(職員さんたちが帰られてから、集合写真を撮影してしまった…)

※産経新聞さんが取材に来てくださったので、どこかで紹介されるかも。

 

比良松先生も出演されている映画「弁当の日」もおすすめですラブ

 

今回も、募集して1時間もたたないうちに満席になりましたあせる

来てくださった皆さま、ありがとうございましたラブラブ

 

次は茨木高校生の大豆収穫 → 味噌づくりです。

大阪市西区2児餓死事件から、今日で10年。

 

 

『児童虐待をなくすために、自分たちにできることを』

 

10年前、mixi全盛期だったので、匿名で集まった仲間たちと、私たちに出来ることを何度も話し合い、アクションを起こしてきました🌈

 

✅事件が起こった後に、みんなで話し合ったことのメモが残っていました。

 

☑️「何かしたい」という気持ちを実際の行動にうつしていく。

 

☑️ママ友同士・地域も巻き込んで子どもの預かり合いをする。

 

☑️それができるようにご近所に顔見知りをつくる。

 

☑️それが出来る場所をつくる。

 

☑️自分が住む町の行政サービスについて知る。そして実際に使ってみる。

 

☑️育児に疲れた時は誰かに助けを求めてみる。

 

☑️育児中の「つらい」「しんどい」を素直に言えるようになる。

 

✅行動を起こそうと思っても、壁があります。

 

☑️働きながらの育児はとにかく大変。
サークルなどでつながりを持とうにも時間も体力もない。

 

☑️毎日の生活に疲れると、人に会うのもしんどくなる。
まして、行政に足を運ぶ気にはなれない。

 

☑️自分に責任があると思ってしまって、助けてと言えない。

 

✅では、どうしたらいいか?

 

☑️育児中の当事者目線で訴え、知ってもらう。

 

☑️つらい時は甘える。助け合うことから始める。

 

☑️自分の経験や、そこから得た情報を共有し学び合う。

 

✅そのためには、メディアのチカラが必要。

仲間たちが、積極的にメディアの取材を受けました。


あれから10年。

 

☑️SNSの発展により、ますます孤立化がすすんだ。

 

☑️事件が起きるたびにバッシングが起こり、SOSを出しにくくなった。

 

☑️事件が起こるたびに新たな法律や条例ができ、仕組みが複雑化して現場が混乱する。

 

☑️行政は責任追及をされないように、制度を頑なに守る。

 

☑️人を守るためにつくられたはずの制度に、支援する側も、支援される側も縛られ、苦しめられる。

 

☑️行政職員さんには異動があるので、異動があるたびに0から関係性をつくり直し。

 

☑️政治も4年ごとに人が入れ替わるので、その度に関係性をつくり直し。
(10年前と変わらない私たちが取材を受けていますが、今日来てくださった記者さんたちは、全員一回り若返っていました😅)

 

どれだけ良い制度ができても、結局動くのは、人です。

 

人と人が、あたたかい気持ちを持ち寄って助け合う文化をつくらないと、何も変わりません。

 

制度はこの10年、いくつも新しいものが出来ました。

 

改正児童虐待防止法も4月1日から施行されました。

 

でも現場で動くのは結局、人です。

 

人に心がないと、人を救えません。


制度だけでは人を救えません。

 

だから、動き続けます。

 

所属や肩書関係なしに、今、みんなで助け合って行動しないと。

 

事件当時、楓ちゃんと同じ年齢で、事件後、一緒に手を合わせてくれていた男の子。

 

『どうすれば社会は良くなると思いますか?』という記者さんの質問への答え。

 

『大人がしっかりしてほしい。
大人がしっかりしていれば、子どもを守れた』

 

ママさんのつぶやき。

 

『社会の無関心が事件をうんだ。
10年たっても同じ。
関わりを持てば救えた命が沢山ある』

あの事件をきっかけに、大阪全体で様々な取り組みが行われました。

「自分に何が出来るだろう?」と動いた人が沢山いました。

 

NHK大阪放送局さんは1年かけて「子どもを守れ!」キャンペーンを行い、

ニュース、特集、ドキュメント、ドラマ…様々な発信をしてくださいました。

 

事件をもとにつくられた「私たちにできること」を考えることが出来るドラマ

やさしい花

親に罰を課しても児童虐待はなくなりません。
育児困難な環境を変えないと、悲しい事件が繰り返されます。

 



以下、事件の判決が出た時に書いたブログです。

懲役30年。

2人の命が亡くなったのだから、重いのか軽いのか…私にはわかりませんが、

「予防の見地も無視できない」

とおっしゃられた裁判長の言葉には納得です。

 

様々な記事が出ていますが、最後に裁判長のおっしゃられたことに、

私は救いが持てました。

 

毎日新聞さんより引用します。

 

『一方で西田裁判長は、周囲の援助を受けていなかった下村被告の境遇に

 

「仕事と育児に限界を覚え、孤立感を強めており、同情の余地がある」

 

と一定の理解を示した。

 

そして最後に

 

「このような被害者が二度と出ないよう、社会全般が児童虐待の防止にいっそう努め、

子育てに苦しむ親に協力することを願う」

 

と言及した。』

 

更に、産経新聞さんの記事、

 

『「彼女は凶悪犯ではない。もう少し救いを求めていれば、

社会も助けてくれたのではないか」。

 

こう話したのは、30代の女性裁判員。

別の裁判員も

 

「何かが一つ変わっていれば、ここまでなることはなかった」

 

と述べ、シングルマザーとして2人の子育てに悩んでいた下村被告の境遇をおもんぱかった。』

 

私も傍聴を通して、単純に、

「若いシングルマザーが自分の欲求を優先させた」では済まされない問題だと思いました。

 

そして裁判長の言葉で、安心した、というか、わかってくれていたんだ…と救われた言葉が、

 

「事件が起こった最初の原因は、離婚の時の、子どもらのことを考えていない話合いだった」

 

でした。

 

本当に子どもたちのことを愛しているなら、

養育費の話はどこかのタイミングで確実に出るはずです。

(被告人の借金も離婚の原因の一つなので、被告人にお金がないことは元夫も家族も了解済みでした)

 

そして、被告人は子どもに会ってもらうことを望んで連絡をしたのに、

その願いを断り、離婚後一度も子どもと会わなかった元夫にも、深く反省して欲しいです。

 

子どもたちにとっては、変わらず父親です。

親権のある母親が会わせたくない…と言っているなら仕方ありませんが、

むしろ、会って欲しいと願っていたのに会わないのは、

子どもたちの存在さえも無視した育児放棄ではないでしょうか?

親権がなかったら許されるのでしょうか?

疑問を感じます。

 

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週刊ポストに掲載されていた「杉山春」さんの記事を引用します。

 

『公判で弁護士は「社会的経験、収入、生活の場が不安定な早苗さんに子供が委ねられたのは無謀ではないか」と言った。私も同じ印象をもつ。』

 

『私は1年程前、大阪府警本部の接見室で早苗さんに会った。~中略~

「なぜ、会ってくれたのですか」そう尋ねる私に早苗さんはおっとりと答えた。

「子供たちの仏前にお菓子を供えてくださったと手紙にあったからです」

それは我が子が受けた親切に丁寧に礼をいう、母親の物腰そのものだった。』

 

『東京の高校で一人暮らしをしていた早苗さんは父親を思いやって手紙を書く。~中略~

<私の夢は、いいおかあさんになることです。世界一温かな家族にすることです>』

 

幼い頃に両親が離婚し、虐待を受けて育ち、温かな家庭を知らずに育った彼女には、

温かな家族が何かがわからなかったのでしょう…。

 

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彼女は何度もSOSを出したのに、現実の支援が全くなかったことが、

彼女を追い詰めた一番大きな要因だと思います。

 

SOSを出した時に、すぐに誰かが彼女の元に駆けつけていたら、

事件は起きなかったかもしれません。

 

誰も彼女の元に足を運んでいなかったから、

放置することとなってしまいました。

 

今回の裁判傍聴を通して、苦しんでいる人がSOSを出した時に、

心をこめてキャッチできる人間でありたいと痛感しました。

 

一人ひとりが少しずつ歩み寄れたら…もう少し生きやすい社会に変わると信じています。

彼女と同じような苦しみを、もう誰にも抱えて欲しくないです。

 

最後に、記者さんとの会話で出た言葉で、傍聴記を終わりたいと思います。

 

「彼女が30年後に社会に出てきた時に、社会は何も変わっていませんでした…ではダメなんです。

大きな宿題を出された気分です」