素直なこころ
人間はなぜ、争うのでしょう。
聖徳太子が仏教を守りたかったために戦を起こしてしまい、兵士だけではなく民たちまでも死んでしまったことに後悔しました。戦ではなく話し合いで解決できたのではないかと悔やみました。
そして「十七条憲法」を制定したのです。
しかし、人間は善いか悪いか、正邪を決めたがるのです。
そして、同じようなことを繰り返してしまうのです。戦争はするべきではない。争わずに解決することができないのか。
人間は善悪の判断ができる。
人間同士が殺し合うことは間違っている。
いや、動植物もむやみやたらに殺すことは間違っている。
どんな命も無駄にしてはならない。
必要以上に殺してはならない。
そして自然界に正邪はない。
雨が降ったら嫌だとか、晴れてくれなきゃ困るとか、自分都合で人間が言っているだけだ。
晴れてばかりでは困るし雨が降ったらありがたいということがあるのだ。
人によって善悪が異なる。自分にとって都合がいいことが善。自分にとって都合の悪いことが悪。そうではないはずだ。どちらも善いしどちらも悪いのだ。
この二元論に縛られ続けているだけだ。
核兵器を持ってはダメだ。核兵器を持たなければダメだ。
核兵器を使ってはダメだ。核兵器を使わなければダメだ。
核兵器は我が国を守るために持たなければダメだ。
核兵器を武装の為に持つことは正しい。
核兵器を廃絶しなければダメだ。
どれも正しい。どれも間違っている。
この二元論を言い続けても結論は出ない。
人間は殺し合ってはならない。それだけだ。
子どもたちに何を残すのか。
自然界に正邪はない。
自然界に背いてはならない。
私たち人間は人間だけで生きているわけではない。
自然界の中で太陽があり月がある。
太陽がなければ凍り付いてしまうだろう。
月がなければ海水が腐ってしまうだろう。
この宇宙の中で生きている。
一人で生きているわけではない。
しかし、たった一人で真っ裸で生まれてくる。
そして、たった一人で何も持たずに死んでいく。
子どもたちに何を残すのか。
自然界に背くことなく、自然界に素直に身を任せ、生まれてきた命を生きること。
大切に生きること。
全ての生きとし生けるものに感謝すること。
人間に生まれてきた意味があるのだ。
必ず亡くなる、この命。
命あるうちに真の幸せに出逢うことができるのは人間に生まれたこの命だけだ。
完