今回は夏の季語「睡蓮」を取り上げます。
季語の分類でいうと植物の季語となります。
同じ水面に咲く蓮に似ていますが、蓮の花は茎が水面上に出て咲きますが、睡蓮は茎が水中にあり、花は水面に浮いているように見えます。
(睡蓮)
(蓮)
印象派の画家モネが好んで描き、睡蓮を描いた作品が今日に多く残されています。
いつものように歳時記の例句から睡蓮という季語の本質とはどのようなものか考えてみたいと思います。
水面に咲く花ということで、水という文字が入った句が数多くあり、水と合わせて甘美な心情を映した句が多く見られます。
モネが睡蓮を愛してやまなかったのは、睡蓮が甘美な印象を人に与えるからかもしれません。
次に例句から読み取った睡蓮の本質からどのように作句するか考えてみると、睡蓮は4音なので上五において、「や」と組み合わせて切るか、「の」等と組み合わせてつないでいくのが常套句となります。
例句の中には「睡蓮花」と5音にして、下五においているものも見られます。
睡蓮と言えば花を指すから1音無駄な気もしますが、1音無駄にしても全体が整うならそれはそれでよいかもしれません。
いままで数多くの季語を取り上げてきましたが、自分好みの例句が数多くあった季語で、個人的に好きになった季語です。
睡蓮や釣果気にせぬ釣りもよし
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。