さて今回取り上げる季語は卒業で春の季語となります。
生活の季語に分類されています。
歳時記にある例句からこの季語が持つ本質について考えてみました。
歳時記の例句を見てみると、取り合わされている事柄が雲、風などの気象現象や一見すると卒業とは直接関係ない風景や物事が多くを占めていました。
卒業の要素には卒業式、卒業生、卒業証書や卒業歌などの視覚、聴覚に関することが多分にあると考えていたので、それらに関するものが取り合わせられているものと思っていたのですが、敢えて関係ない風景や物事を取り上げて、連想に重きを置いている季語と理解しました。
一方、卒業と対をなす季語である入学では、入学の風景や入学に関する物事が詠まれる例句が多く、卒業とは対照的なのが季語の本質を考える上で印象的でした。
突風に帽子さらはる卒業生
飛行雲追いつけぬまま卒業す
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。