今回取り上げる季語は水仙で冬の季語となります。
水仙は寒さの厳しくなる12月から徐々に陽の長さを感じてくる二月にかけて開花します。
水仙は海に面した日当たりのよい斜面に群生しており、海からの強い風の中に凛として咲いている姿が印象的です。
また、水仙が咲いている場所ではあまり感じませんが、切花として部屋においておくとかぐわしい香りが部屋中を満たしてくれます。
水仙の学名はNarcissusといい、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに由来しています。
このように水仙の美しさ、香りは古代より万人の知るところであったと思われます。
さて、水仙とはどういう季語なのか歳時記にある例句から見ていきたいと思います。
まず、風景として目を引くのが海や潮風との取り合わせです。
先に書きました通り水仙は海に面した場所に多く咲いているので必然的にそうなってくると思われます。
次に感覚として詠まれているのは凛とした強さです。
まだ冷たく強い潮風に負けることなく、すっくとした姿で咲く姿がこの感覚を生み出しているのではないかと思います。
一方で水仙の香りについて取り上げる句を見かけませんでした。
強い潮風にさらされる場所に咲いている水仙は香りが感じづらいことがこの要因ではないかと推測します。
個人的には水仙の香りを感じる作ってみたいものだと考えています。
謹んでと始まる便り水仙花
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。






