今回取り上げる季語は山眠るで冬の季語となります。
冬になって静まり返った山の姿を擬人化して表現した季語です。
山を擬人化した季語は四季そろっており、冬は山眠る、春は山笑う、夏は山滴る、秋は山粧うです。
このように山を擬人化した季語は四季折々にあり、それぞれよく使われる使い勝手の良い季語です。
さて、山眠るに類似した季語に冬の山があります。
そこで、この二つの季語の違いについて考えてみたいと思います。
山眠るは擬人化された表現なので直接目に見えないもの、想像上のものとの取り合わせがしっくりくるのではと思います。
一方、冬の山はそれ自体が実体のある風景なので、目に見える物や事柄、現象との取り合わせが合うように思います。
そこで、歳時記の例句から山眠ると冬の山に取り合わされているのがどのようなものか見ていきたいと思います。
併せて山眠るがどんな感覚を強く持った季語なのかも見ていきたいと思います。
例句を見てゆくと山眠るは何かに例えたものとの取り合わせが多いように思えます。
ただ、冬の山を使った近代の例句が山眠るより少ないので断言はできません。
私自身も山眠るは擬人化した季語なので、作句するときは空想がかったものや何かを例えたものとの取り合わせがよいように思います。
鳥葬の羽音は止んで山眠る
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。






