寒椿(冬の季語) | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今回取り上げる季語は寒椿で冬の季語となります。

 

 

椿といえば春に咲く花ですが、冬の寒風が吹きすさぶ中で凍えるように咲いている姿が健気であり、その趣が愛されて俳句の世界に取り入れられたようです。

 

但し、植物学上は寒椿と椿は区別されています。

 

詳しくは関係図書やネットに書かれるかと思いますが、寒椿は椿と山茶花の雑種が起源と考えられ、花ごと落ちる椿とは異なり、山茶花のように花弁がはらはらと散ります。

 

 

寒椿を季語として読む場合はこのあたりの景色も考慮に入れる必要があることが季語を調べていく上で勉強になりました。

 

調べてゆく中で句を詠むときは寒椿が散るさまを「落つ」ではなく、「散る」が正しい描写ということを知ることができました。

 

 

次に見かけがほぼ同じ寒椿と山茶花を季語としてどのような違いがあるのか考えてみました。

 

山茶花はまだ暖かさが残る10月頃から咲き始めることから、柔らかで穏やかな印象があるように思えます。

 

 

一方、寒中に咲く寒椿は凛とした中に内に秘めた激しさを持っているように思えます。

 

 

これは私の妄想の産物ですが、山茶花と寒椿を双子の孤児に見立て、裕福な家庭に引き取られた山茶花と貧しい家庭に引き取られた寒椿のその後の人生模様を句で詠めないものだろうかなどと考えています。

 

線香の灰ほろほろと寒椿

(俳句ポスト投句)

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。