今回取り上げる季語は竜田姫で秋の季語になります。
秋を司る女神、奈良県にある竜田山を神格化したものと手持ちの歳時記には記されていました。
現代では竜田山という名前の独立峰はありませんが、大和川北岸の山々の総称となっています。
竜田山と言われる場所には竜田川という川があり、その周辺は紅葉の名所として近畿圏では有名です。
さて、ここでふと思ったのは竜田姫はどの分類の季語なのだろうという疑問でした。
竜田姫の記述があるのはどの項目かもう一度調べてみると天文に分類されていました。
そういえば冬の季語である「雪女郎」も同じ天文に分類されていました。
しかしながら、実作する上で竜田姫を同じ天文に分類されている秋風や雷のように見たり、触れたり、聞こえたりするものと同列に扱うには無理があるように思えます。
そうすると竜田姫で作句する手がかりとしては想像や空想に頼らざるを得ないと考えます。
では、天文現象での空想や想像の手がかりはないかと思いをめぐらせて見ると、国宝の「風神、雷神図」は見事に天文現象を擬人化しています。
また、古代の日本人は月のクレーターの見て、月には兎が住んでいて餅つきをしていると考えていました。
また、西洋では星と神話を結び付けて数多くの星座を生み出してきました。
このように古から人々は多くの天文現象を擬人化して来ました。
私も古の人々が空想、夢想してきた天文現象の擬人化を訪ねながら句を練ってゆきたいと思います。
銅鏡を納めし杜に竜田姫
陵に古き星の名竜田姫
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。