今回取り上げる季語は「海の日」で、言葉通り夏の季語となります。
「海の日」のいわれとなったのは明治天皇の東北地方巡幸です。
それに使用された灯台巡視の汽船「明治丸」ですが、マストを持った発動機船で当時(明治初期)の最優秀船でした。
小笠原諸島の帰属についてイギリスと争った際には、ほぼ同日に出航したイギリス軍艦より先に到着して、小笠原諸島の日本帰属を決定づけることとなりました。
この船を建造したのがイギリスの造船所であったことは歴史の皮肉かもしれません。
では季語としての「海の日」について考えてみますと、季語の分類としては行事に含まれます。
行事に含まれる季語であるお祭やなんとか市等には画像なり、臭いなり、その場の雰囲気に触れた感触がありますが、「海の日」には特定の画像が無いように思えます。
これは同じ行事に含まれる忌日の季語に通じるものがあります。
こういう季語では私自身、観念的なものを詠んでしまうことが多いので、今回は季重なりに注意しながら夏を連想させる風景が見えるような題材で「海の日」という季語を詠んでいきたいと考えています。
また、できれば「海の日」は陽の印象を持った句で詠みたいものです。
海の日や海驢のあくび長きこと
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。