今回取り上げる季語は色鳥で、秋の季語となります。
色鳥とは秋に海外から日本に渡ってくる、もしくは日本の留鳥で秋に山間部から平野部に下りてくる美しい羽色をした小鳥を総称したもので、花鶏(あとり)、真鶸(まひわ)、尉鶲(じょうびたき)が代表的なものです。
花鶏(あとり)
真鶸(まひわ)
尉鶲(じょうびたき)
まだまだ季語の知識の浅い私が最初に色鳥という季語を見て美しい羽色持ったインコやオウムを想像してしまいました。
インコやオウムが季語ではないこともここで改めて知りました。
また、色鳥と聞くと春の鳥かと思ったのですが、秋の季語でした。
最初から基本的なところでつまずいてしまいました。
さて、色鳥は古くから季語として認識されていたようで、江戸時代初期の俳諧の書に表されていたそうです。
さて、季語としての色鳥について考えてみると先ほどの私の色鳥に対する先入観にある美しさと秋の季語であることはどうも相容れないところがあるように思います。
色鳥の羽色についてはその美しさを前面に押し出すのではなく、秋の季節という中での美しさと捉えるべきかと思います。
さらにその鳴き声については代表的な色鳥である、花鶏(あとり)はキョッキョッキョッキョッ、真鶸(まひわ)はチュイン、チュイン、尉鶲(じょうびたき)はヒッヒッヒッカタカタと鳴き、どれも春の鳥に比べて鳴き方が地味です。
こちらの方が秋の季語という感じなのですが、例句の中には色鳥の鳴き声に焦点を当てたものが少ないように思います。
類想を避けるにはこの辺りがヒントになりそうですが、先人があまり取り上げていない所を上手く句に取り込めるかが要点となりそうです。
また、花鶏(あとり)、真鶸(まひわ)、尉鶲(じょうびたき)は単独でも季語となっていますので、色鳥とこれらの鳥との違いにも注意する必要がある季語ではないでしょうか。
色鳥や河原を掘って露天風呂
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。