今回取り上げる季語は「夏草」で、夏の季語となります。
夏草と言えばどなたも学校で必ず習うであろう松尾芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」がすぐに思い浮かぶと思います。
私もその一人です。
この句から私は夏草というものは平家物語の主題である盛者必衰の無常観を意味する季語であると思い込み、つい最近までそう思い続けていました。
高校生の頃は古典が大嫌いで欠点と追試の常連であったその当時の私は季語や松尾芭蕉についてまともに向き合うことも調べることもありませんでした。
しかし、俳句を始めて歳時記に書かれていることを読んでみると夏草とは「野山に生命力豊かに生い茂っている草のことを言う」と書かれています。
この説明をそのまま解釈すれば私の考えていた夏草の解釈とはかなり違うということに気付きました。
そして改めて夏草という季語、松尾芭蕉について調べてみました。
すると松尾芭蕉が俳聖といわれる所以の一つに、それまで青々として生命力溢れることについて詠まれていた「夏草」に今は生命力に溢れ、力強い夏草も秋が来ればしおれて枯れて行くとういう解釈を付け加えたからだということを知りました。
松尾芭蕉のこの句は学生の頃に古典をないがしろにしていた私が季語の理解を深めるためには改めて古典も学び直さなければと思い知らされるきっかけとなりました。
夏草や反芻の牛動かざる
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。