鱧(夏の季語) | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今回取り上げる季語は鱧で、夏の季語となります。

 

 

鰻目の魚で鰻より体長が長く2メートルに達する大物もいます。

 

外見は鰻に似ていますが、鰻より大きな口に鋭い歯を持ち、性格は獰猛で、釣り上げた際に噛まれると大怪我をします。

 

 

 

中部地方以北には生息していないので、関東、東北地方の方々にはなじみの無い魚と思います。

 

身は白色で味は淡白なように見えますが、脂がのっており、夏のスタミナ食として関西ではなじみ深い魚です。

 

特に海から遠く、生の魚が手に入りにくい京都市内では、古より生きたまま京都市内まで運ぶことのできる魚として珍重されています。

 

淡路島の南東にある沼島付近で獲れたものが極上とされています。

 

 

 

さて、関西に住む私には鱧と聞けば、祇園祭のゆったりしたお囃子を聞きながら宵山見物に繰り出す人々の顔が町屋の提灯に照らし出される光景や、大阪の天神祭のにぎやかなお囃子の中、華やかな河舟が行き交う光景が目に浮かびます。

(祇園祭)

 

(天神祭り)

 

 

しかしながら、歳時記の例句を眺めてみると暗く、重苦しい景とともに鱧が詠まれている句が散見されます。

 

私には鱧は明るく、華やか、賑やかというのが本質と考えていたのですが、そうばかりでもないようです。

 

果たして灰褐色の体に鋭い目と牙を持つ獰猛な鱧が本質なのか、それともお祭の明るく賑やかな鱧が本質なのか、取り組んでみて初めて鱧という季語の難しさ、奥深さが判ってきました。

 

水鱧や人魚を祀る海の洞
病食に一皿ついて祭鱧
(俳句ポスト投句)

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。