白鶴美術館1 | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今回から神戸市東灘区にある白鶴美術館についてお話ししたいと思います。

 

白鶴美術館はJR神戸線住吉駅からバスに乗って住吉川沿いに上流へ約10分ほどの山の中腹にあります。

 

 

美術館前のバス停を下車すると神戸の町並みとその先に人工島である六甲アイランドが一望できます。

 

 

白鶴美術館は昭和6年(1932年)に灘五郷の一角を占める神戸市東灘区にある白鶴酒造の七代目嘉納治兵衛が蒐集した美術品を一般に公開するため設立されました。

 

美術館の建物は青銅葺きの屋根に城郭風の外観で、

 

 

東洋美術を収蔵、展示する意図のため、この造りにされたと考えられます。

 

また、一見すると木造建築ではと思わせますが、美術品の保管という目的から鉄筋コンクリート造りとなっています。

 

白鶴美術館が建設された昭和初期は鉄筋コンクリート造りの施工技術が未熟で完成までに3年の工期を要しました。

 

白鶴美術館の収蔵品は中国古代の青銅器をはじめ、金銀器、日本絵画、金、漆工芸品、仏画、経巻など多岐にわたります。

 

青銅器については世界有数の品を収蔵していることで知られています。

 

また、収集品の中には数多くの仏画、教典、仏像、寺院などの装飾品が含まれています。

 

これは白鶴美術館の創始者である七代目嘉納治兵衛の出自と深く関わっています。

 

七代目嘉納治兵衛は奈良の興福寺で代々「承仕」(寺院の仏具の管理に従事する僧)を勤める家柄の中村家から嘉納家へ養子として入っており、まだ中村家にいた十代前半の頃は家柄の関係もあり奈良の正倉院、法隆寺の寺宝へ接する機会に恵まれていました。

 

興福寺  

 

正倉院

 

法隆寺

 

そのような経緯から仏教美術に興味を持ち、蒐集を始めたものと思われます。

 

夜も更けて参りましたので今回はこの辺りにして、次回より白鶴美術館を訪問した時に写した画像を交えながら、お話を進めたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。