あけましておめでとうございます。
今回取り上げる季語は鮃で、冬の季語となります。
鮃はカレイ目ヒラメ科の魚で鰈と見かけも似ていますが、生物学上も近しい関係にあります。
右が「鮃」左が「鰈」
「鮃」を歳時記で探してみると掲載していないものがいくつかあることに気付きました。
因みに鰈が掲載されている歳時記は見つけられませんでした。
このように季語としての「鮃」の認知度が低いからでしょうか、歳時記以外にネットに掲載されている例句は同じものが何度も出てきます。
そんな数少ない例句から「鮃」と取り合わせている事柄がどこか空想的、観念的なものが多いなと感じることです。
そのためか何が言いたいのか、この事柄と「鮃」がどんな関係性があるのか読み取れないものが少なからずありました。
例えば鮃の伏した姿が京都盆地の形に似ているという俳句がありましたが、その句を最初に読んだ時は「鮃」と京都の関係性がわからず、その句の下に書かれた説明を読んで初めて句意がわかりました。
地形図を見ても、似ているとは思えませんでしたが。
そんな「鮃」の句を読んでいく内になぜか「海鼠」という季語が頭に浮かんできました。
そういえば「海鼠」の句も空想的、観念的なものとの取り合わせが多いように感じていたからです。
海底で動かずにじっとしている(実際はごくごくゆっくりした速度で移動しています)海鼠と砂の下で獲物が来るまでじっと動かずに潜んでいる鮃にはどこか通ずるものがあるように私には思えます。
この関係性からなにか作句のきっかけがつかめないものか思案してみます。
鮃煮る喪中に付きの便り来て
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。