桜鯛(春の季語) | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今回の取り上げる季語は桜鯛で、春の季語となります。

 

 

ハタ科の魚に体長15cmほどの桜鯛という魚がいますが、今回の季語はタイ科の真鯛を指しています。

 

因みにハタ科の桜鯛は小ぶりなため生食での流通はほとんど無く蒲鉾などの練り製品の原料として使われているため、一般の人が目にすることはほとんど無いようです。

 

 

さて、日本人にとって鯛は古来より特別な魚であり、天然物は深海に生息しているため、養殖以外ではお目にかかることのない鯛が春の産卵期になると赤く染まって浅瀬に集まってきます。

 

この時期は日本人が愛して止まない桜の開花と重なり、それにちなんでこの頃の鯛は桜鯛と呼ばれて尊ばれています。

 

 

一方、ヨーロッパ、アメリカの西洋世界では鯛は何にでも食いつく卑しい魚として認識され、魚としての評価は低いようです。

 

また、お隣の韓国では高級魚としては石首魚(いしもち)が代表格で鯛はそれほど尊ばれていないようです。

 

 

また、中国は川魚を好んで食べる(中国内陸部では海産物を食べる習慣がない)ため、鯛という魚自身が認識されていないようです。

 

 

東南アジア、オーストラリアでは引きが強く、美味しい魚として釣り人に愛されていますが、特別な魚という認識では無いようです。

 

このように見てくると祝い事やおめでたい時などの晴の場で供され、尊んでいるのは日本人だけのようです。

 

 

ここで、季語としての桜鯛を考えてみますと、日本人にとって特別な魚ということもあり、多くの俳人に詠まれています。

 

また、鯛は多くの感覚要素を含み、喜びに関連する感情を内包しているせいか、実に様々な取り合わせの句がありました。

 

また、古来より鯛の産地として有名な明石、瀬戸内海を詠んだ句も多く見られます。

 

 

 

 

これだけ多くの句が詠まれていると類想を避けるのは中々難しいかもしれませんが、経験の中から何とか新しい発見をひねり出してみたいと思います。

 

嫁入りの海女ひやかされ桜鯛
(俳句ポスト投句)

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。