舞茸(秋の季語) | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今回取り上げるのは舞茸で、秋の季語になります。

 

 

私の手持ちの歳時記を開いて舞茸を捜しましたが、私が持っている歳時記には舞茸が掲載されておらず、やむなく図書館にある歳時記で捜してみたところ、季語として取り上げている歳時記より取り上げていないものの方が多数でした。

 

そのため作句の参考とする例句が少なく、先人の方々が感じておられる舞茸とはどのようなものか見当を付けることが困難でした。

 

この時点で舞茸の句作りに行き詰まってしまい、なにかきっかけはないか思い巡らしたところ、私の歳時記には「占地」が「茸」と別題で掲載されていることを見つけました。

 

占地も舞茸も秋の季語であり、美味である、そして希少性が高いが近年になって人工栽培により手に入りやすくなったことなど共通点が多いこと、そんな舞茸と占地には類似性があり、占地の例句から何か示唆が得られるのではないかと思いました。

 

しかし、その姿形は大きく異なり、占地は太い茎に少しずんぐりした傘をかぶっていますが、舞茸は太い茎に平べったい傘をかぶっています。

 

(本しめじ)

 

そして、なんと言ってもその語感に違いがあります。「占地」は他に「湿地」という漢字が当てられるようにその語感には「じめっとした」というのがぴったりしますが、舞茸の「舞」から感じるものは占地にはない明るい語感があります。

 

思い返せば数少ない舞茸の例句の中にもそんな感じの句があったような気がします。

 

舞茸とは茸一般のじめっとした感じの中に明るさ、華やかさがある季語ではないかと考えます。

 

「舞茸」の例句が少ないので、占地の例句を参考に先の「舞茸」の語感から受ける感覚と「舞茸」と「占地」の違いを考えながら句を考えていけそうな気がします。

 

 舞茸や夜の食国奉る
 舞茸や割けば寡婦の匂いして
 (俳句ポスト投句)

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。