今回取り上げる季語は「蜻蛉生る」、夏の季語となります。
ヤゴが羽化することですが、これが季語になるなど思ってもみませんでした。
似た季語としては「蟷螂(たうらう、かまきり)生る」がありますが、私の知る限り他に「○○(昆虫名)生る」という季語は無いようです。
蜻蛉が羽化するのは多くの場合、人が皆寝静まっている丑三つ時から夜明け前なのですが、これを観察して季語にしようと誰が思いついたのでしょうか?
現代のような明るい照明が無い時代は日没と共に寝て、夜明けと共に起きていたので、夜更かしして朝寝坊の現代人とは違い、ヤゴが羽化するところを多くの人が見かけたのかもしれません。
しかし、それなら蜻蛉同様になじみのある昆虫である「蝶生る」や「蝉生る」があっても良いと思いますが、それらがないところが不思議です。
さて、私も朝寝坊の現代人の一員でヤゴが羽化して蜻蛉になるところを実際に見たことはありません。
しかしながら、苦労してヤゴの羽化の現場を見に行かなくてもインターネットでヤゴの羽化の様子を動画にして配信している方や、ヤゴの生態やどんな場所で羽化するのかなどを観察日記として投稿されている方もいらっしゃいます。
それらのネット上の情報からヤゴが羽化して蜻蛉になる様子が絵として、また文字情報として得られます。
そんな中にはヤゴは水面すれすれのところで羽化に適した場所を探してから水面上に上がってくると書かれていいました。
こういうことを調べていると、俳句を詠むのには虫の生態にも通ずる必要があるなと思う今日この頃です。
羽化の場を探すヤゴの目水面
(俳句ポスト投句)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


