今回から海外赴任先で初めて交通事故を起こしたときの思い出をお話したいと思います。
私が海外の赴任先で初めて交通事故を起こしたのはアメリカ合衆国南部の町でした。
その町はまだ古きよきアメリカが息づいている片田舎で、走っている車の大半は大型の古きよき時代のアメリカ車でした。
セダンタイプだと大型のキャデラック、シボレー(ゼネラルモーター)、ニューヨーカー(クライスラー)、トーラス(フォード)など、私の年代にはこれがアメ車だという代物です。
(キャデラック)
(シボレー)
(ニューヨーカー)
(トーラス)
セダンタイプより圧倒的に多いのはピックアップトラックで、こちも古い型が多く、実用車ですが、普通に街乗りにも使われています。
しかし、BBQの道具が積まれたままだったり、何かよくわからない巨大な機械が積まれていたり、実用車としても使われているようです。
そんな巨大な機械を積むときについたのでしょうか、車体に傷やへこみがあちこちにあるのが普通で傷やへこみの無い車の方が稀です。
そんな町ですから小型車である日本車はほとんど見かけません。
そういう町だったので、レンタカーの車種には乗り慣れた日本車がなく、というか日本車自体がありませんでした。
そういう事情なので仕方なくアメリカ車を選ばざるを得ませんでした。
ただ、大型車だと車両感覚がつかみにくいと思い小さめの車(Oldsmobile Cutlass Ciera)を選んだつもりでしたが、それでも運転してみると小型車に慣れ親しんでいる私には充分大きな車でした。
アメリカ車に乗るのは初めて、さらに左ハンドル車に乗るのも初めての初めてづくしでおっかなびっくりレンタカーを借りて未知の町に乗り出しました。
(現地の免許は持っていないので国際免許でレンタカーは借りました)
運転してみた最初の印象を一言で言うと、全てがふわふわしていました。
座席のクッション、懸架装置(サスペンション)は言うに及ばず、ハンドル、ブレーキ操作感もスポンジが間に挟まっているようにのようにふわっとしていて、ハンドルを回してもどれぐらい前輪が曲がったのか、どのくらいブレーキがきいているのか、手先、足先に感じる感覚が日本で乗っていた車に比べて曖昧でした。
座席やサスペンションがふわふわ柔らかいのは初めのうちは乗り心地がよくてよかったのですが、ずっと運転していると段差を越えたあとも車体がふわふわした揺れがなかなか落ち着かず、段差を越えたあとしばらくは路面との接地感がつかめず、その感覚に慣れるのに苦労しました。
アメリカの道路の多くはアスファルトではなくコンクリートなので、日本のように表面が滑らかでなく、ごつごつしていることもあって車の揺れがなかなかおさまりません。
段差を越えたときの揺れはのり心地だけではなく、ハンドルの操作感、ブレーキペダルを踏んだ感触にも影響して、ゴムかスポンジが挟まっているようにぐにゃっとしているハンドルの操作感やブレーキの踏み具合の感覚がさらに顕著になってきます。
このようにハンドルの感覚がなかなかつかめないのと、なれない左ハンドル、右側通行のため、初めて車を運転したときのように右に行ったり、左に行ったり真直ぐに走らせるのに苦労しました。
また、ブレーキの感覚がいつまでたっても掴めないため、思ったより手前で止まったり、行き過ぎたりと初心者並みのひどい運転でした。
こんな調子で苦労しながらもなんとか運転していました。
そして、そんなこんなしながらも少しこの車に少し慣れてきたかなと思った頃に海外で初めての交通事故を起こしてしまいました。
夜も更けてまいりましたが、この先のお話が長くなりそうなので、続きは次回に譲りたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。