松尾芭蕉翁の故郷を訪ねて(芭蕉翁記念館(2)) | 蔵六の雑記帳

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過去にそしていま感じたまま、思うままを記していきたい思っています。
面白くない話かもしれませんが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

前回の続きから始めさせて頂きます。

松尾芭蕉翁の故郷を訪ねて(芭蕉翁記念館(1))



上野市駅から北に歩いていき、伊賀市役所の前を通り過ぎると、上野公園(伊賀上野城跡を整備した公園)の木立の中に佇む「芭蕉翁記念館」の入り口に到着しました。


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早速、建物の中に入ると、こちらにも立派な芭蕉翁の銅像が迎えてくれました。


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銅像の説明書きを見るとこの銅像が駅前にある大きな銅像の元となるもので、伊賀市出身の彫刻家である大山徹山氏の作品であると記されていました。


銅像をいつまでも見入っていてもしょうがないので、入館料(300円)を支払い、期待をもって展示室に入りました。


今回の展示は「俳諧と旅の心(芭蕉の足跡)」という題名で、旅に生き、そして旅の半ばで生涯を閉じた彼の生き様にまさにぴったりの展示であったのは幸運でした。


いい展示の機会に訪れることができて何よりでした。


展示室は縦20メートル、横10メートル程度の一部屋だけでしたが、一つ一つじっくりと展示を見ていったので、全部の展示を見終わるのに一時間半ほどかかりました。


自分ではそんなに長くいたように感じませんでしたが、ほんとうに時を忘れてという形容がふさわしい充実した時を過ごせました。


展示を見終わって、ここで得た感動を忘れぬよう、そして芭蕉翁の句に少しでも多く触れるよう、芭蕉翁記念館発行の「旅の詩人 松尾芭蕉」という本を買い求めました。


いままで、芭蕉の句といえば「夏草や兵どもが夢の跡」、「しずかさや岩にしみ入るせみの声」、「古池や蛙飛びこむ水のおと」など、教科書に書いてある誰でも知っているような句しか知らない無粋者でしたが、ここで多くの芭蕉翁の句に触れたことで自分自身が強い刺激を受けたことは間違いないと思います。


この展示を見てすぐに句作ができるようになるとは思いませんが、句作をする上での色々な示唆やきっかけができたように思います。


そして、これからは二つの旅、一つは現実に移動を伴う旅(吟行)と句作という思考の中での旅を楽しんでいける、そう思えるような「芭蕉翁記念館」訪問の旅でした。


余談ですが、私が見学している間に日本人と外国人(フランス語をしゃべっていたので、フランス人と思われます)の二人連れが一般の見学者として入ってこられ、日本人の同伴者の方からの説明をフランス人と思われる方が熱心に聞きながら展示をご覧になっていました。


海外でも自分たちの言語で俳句を詠まれると聞いていましたが、遠く離れた日本の地まで来られて、俳句の文化を直に感じようとされている心意気に敬服いたしました。


今回の伊賀上野訪問では「芭蕉翁記念館」以外に「俳聖殿」、「伊賀上野城跡」等の上野市駅近辺の歴史的建物を見てまわりましたが、そのお話はまた別の機会にさせていただくことにします。


残念ながらこれらの上野市駅近辺の名所、旧跡を色々巡っていると、少し駅から離れている芭蕉翁ゆかりの場所(芭蕉翁生家、蓑虫庵、上野神社など)や伊賀上野にある芭蕉句碑を巡る時間がなくなってしまいました。


また、機会を見つけてこれらの巡れなかった芭蕉に縁の深い場所を訪れてみたいと心に誓って伊賀上野を後にしました。


今回も最後までお読みいただきありがとうございました。