今回から兵庫県の神戸市、三田市、宝塚市にまたがる千刈貯水池についてのお話をさせていただきたい。
千刈貯水池は市内に大きな水源(湖、池、大河川など)を持たない神戸市が増え続ける人口とそれに比例して増加する水需要に応えるために約100年前に建設した上水道専用の貯水池です。
千刈貯水池へはJR宝塚線(福知山線)の道場駅から20分ほど歩くと到着します。
無人駅である道場駅の自動改札を出て左に進むと千刈水源池と書かれた看板が見えてきます。
看板の矢印に従って進むと川沿いを山の懐へ誘うように道が続いています。
川沿いの道を歩いていくと左手前方に岩肌が露出した山が見えてきました。
この岩は不動岩と呼ばれる関西のロッククライマーでは少し名の知れた岩場だそうです。
ここからは見えませんが、この不動岩がある山のさらに左手の山中には鏑射寺という聖徳太子建立と言われる古刹があります。
私は寺社めぐりも好きなので、またの機会にはこの古刹を訪れてみたいと思います。
訪れたのが秋だったので道沿いの民家(農家であろうか)の庭に柿がたわわに実っている牧歌的な風景が郷愁を誘います。
さらに歩いていくと廃屋が見えてきました。
この廃屋の近くにヒメジョオンと言う帰化植物の花が咲いていました。(可憐な花に見えますが、「日本の侵略的外来種ワースト100」に選定されている駆除の困難な要注意外来生物である)
春に咲き出す花ですが、この画像を撮影した秋になってもまだ咲き続けている、生命力の強い花です。さすがに秋ともなると花びらに張りがなくなっており、廃屋同様に哀愁を漂わせています。
廃屋からさらに進むと牧歌的な風景に似合わない工場のような大きな建物が見えてきました。入り口には「神戸市千刈浄水場」の石碑が見えます。
これから向かう千刈貯水池の水はここで浄水されて神戸市の各所へ送られるのだろうかなどと思いながら中を覗き込むが、門がしっかり閉じられ、頑丈そうな柵に囲まれ、さらに監視カメラも設置されているので施設の中には立ち入れそうにありません。
そのまま前を通り過ぎて先を急ぎました。(私の実家近くに浄水場があり、子供のころは自由に入って行けたのですが、いまはテロリストが浄水施設に細工(毒物を投入するなど)できないように立ち入りを厳しく制限しているのでしょう)
浄水場を通り過ぎてしばらく行くと川に沿った道になり、道沿いにダム放流の注意書きがありました。
恐らくこの道の先に目的地である千刈貯水池があるのだろうなと見当をつけて歩みを進めました。
まだお話は始まったばかりですが、今回はこのあたりにして続きは次回に譲りたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。