さて、前回の続きをはじめさせていただきます。
この画像が旧小西家住宅が店舗として使用されていたときの入り口にあたるところです。
いまも入り口として使われているようですが、住宅内部は非公開なので部外者が入らないよう扉は固く閉ざされています。
入り口の左側にはこの建物が文化財であることを示す標識が掲げられています。
登録番号が0001~0004となっているのは文化財として登録されている建物が4つあることを示しています。
まず、その4つの建物の中から「主屋」と呼ばれる建物をご紹介したい。
「主屋」はかつて店舗として使われていた先の画像の建物とさらにそれに連なる木造建築を指しています。
この建物の建築面積は462.2平方メートル(140坪)です。
上の画像は堺筋から見たもので、以前のお話(旧小西家住宅と小西儀助商店(2)
)で申し上げたように、大正時代の改築前には「主屋」と堺筋の間に貸家が建っていたため、大通りである堺筋から「主屋」は見えていなかったのですが、改築時に貸家を撤去したため、現在は堺筋側から直接「主屋」を見ることができます。
「主屋」は土蔵造りと呼ばれるもので、四面の壁を土と漆喰で塗り固めた耐火構造であり、岡山県倉敷市の美観地区などの古い町並みによく見られる建物で、その多くは白漆喰の壁です。
この「主屋」には多い時で50人以上が生活をしていたと言われ、その食事を賄うために巨大な竈が置かれていたそうです。
また、後述する商品を保管する三階蔵から効率よく荷物を移動させるために主屋内部にレールが敷設され、そのレール上に荷物を積んだトロッコが走っていたそうである。
旧小西家住宅の内部は非公開であるが、旧小西家住宅を管理しているコニシ株式会社の資料によると、主屋の内部は純和風の外観に似合わず、内装に英国製の調度品を使用したり、社長室は西洋風の造りとされており、そこに置かれた応接セットもその雰囲気を壊さないようようなモダンなものであると紹介されています。
(こちらが主屋の平面図です)
残りの3つの建物については次回のお話としたい。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。