どんな良い製品でも使わなければ意味がない、そして楽しみの半分にも満たないと思っています。
そうなれば傷がつくのは当たり前です。でもなるべくきれいにしたいのは当然です。
革製品では補色という手段がありますが、傷以外の部分と馴染ませるには色以外にも艶感という要素もあります。
つやアリ素材は比較的補修材の種類があるのですが、つやが少ない場合やつや消しのレザーの補色というのは意外と気を遣うように思います。
加えて補色範囲が広かったりする場合には補色剤の選択ややり方次第では補修部分がかえって目立ちやすくなるのです。
私は長年の経験からそういった場合にはメルトンモゥブレイのシンプルな乳化性クリームを用いて色を出来るだけ調合により合わせて、綿棒などで叩くようにして傷部分に刷り込み、半日以上おいてからふき取るときれいに馴染むという方法で対応しています。
実はこれ愛用のエルメスのオータクロアでも実践していて今のところ問題はないですね。
強い補色クリームで即効性を求めるよりもこの方が馴染みやすい気がします。補色効果が弱いクリームであるので1回で上手くいかなければ数回行うと目立たなくなります。