こんにちは。
こだま堂の長峯です。
秋になると不眠症の相談が多くなります。
ものすご~く良く寝ている自分も、若干不眠気味になるのが2月と9月・・・な気がするので、季節の変わり目って何か違うんでしょうね。
漢方薬を飲んで、今すぐ眠れるというのは難しいですが、眠りを深くしたり、夜中に起きる回数を減らしたり、朝の目覚めを良くするように、自然な眠りを促してくれます。
不眠症体質も様々なタイプがありますので、それに合った漢方薬でないと上手く効きません
よくある症状・体質をご紹介します
①不安感や心配性、動悸などが気になって眠れない。
心血虚証と呼ばれる体質の方が多いです。
中には「寝るのが怖い」と訴える方もいらっしゃるので、そうなると恐怖=腎虚なので、腎精不足まで進んでるかなと考えます。
心血や腎精を補う漢方薬を使います。
②イライラしやすい、怒りっぽい、落ち着かない、ジッとしてられない。
ストレスや更年期に多い気滞の症状です。会社で嫌なことがあって、イライラ考えたり、何かに怒ってたりして眠れないタイプもそうです。
気を巡らせてリラックスさせたり、頭に上昇した気を下したりする漢方薬がオススメです。
怒りって結構疲れる感情です。東洋医学的には、肝火と言って火がボウボウ陰分を燃やしてしまうと考えるので、だんだん身体が消耗して弱っていきます。
③足の裏が熱くて布団から出したくなる、むずむず落ち着かない、足がつりやすい。
②とも似ていて、陰陽のバランスが崩れている症状と考えます。現代医学では、むずむず足症候群という病名がついていて、ドーパミンの不足と考えられています。ドーパミンを補充する薬や、鉄不足もドーパミンが作られなくなるので、鉄を補充する治療などをします。
漢方では、陰虚火旺という症状に当てはまりますので、補陰薬を用います。
④寝汗をかいて、夜中に何度も着替えに起きてしまう。
汗をかくのは代謝が良いイメージですが、寝汗は盗汗と言って良い体質ではありません。
暑さは必ずしも関係なく、冬でも寝汗をかいて困っている方がいらっしゃいます。汗をかくと津液や気が外へ漏れていまい、身体が消耗してくるので、汗をかかないよう収れん作用がある生薬や気を補う漢方薬を使います。
⑤トイレに度々起きて安眠できない。
高齢者に多く、腎虚が関わっているので、改善には時間がかかります。糖尿病など、頻尿になるご病気が原因になることもあります。若い方の夜間尿は比較的早く良くなる印象です。
ちなみに子供のおねしょに使う漢方薬もありますよ~。
以上、分かりやすい5つの不眠体質をご紹介しましたが、実際の相談では、もっとこんがらがった体質とかはっきりしない体質が多いので、どれにも当てはまらないような方の方が多いですね・・・。
なので、よ~く聞いて、よ~く考えて、漢方薬の組み合わせを決めなければなりません・・・。
いきなりぐっすり眠れるという方もいらっしゃいますが、はじめは夢見がよくなったり、睡眠時間が延長したり・・・という感じで、徐々に良くなっていきます。
不眠症は辛い症状なので、はじめは眠剤と併用しながら体質改善すると良いと思いますよ