こんにちは
こだま堂の長峯です。
漢方は副作用が無いと思っている方は多いと思います。
副作用が出た場合は、誤治と言って、弁証が間違っていた・・・と考えます。
なので、もう一度体質を見直して調合を変えたりします。
体質に合わせて使うのが漢方ですから、その考えは間違いではありません。
でも、方剤を調整しようがなんだろうが、漢方がうまく使えない方もいます。
それは、生薬アレルギーがある方
滅多に遭遇することはないんですが、私が今まで仕事をしてきた中で、重度のアトピーの方で3例、香料アレルギーの方1例、普通の人1例、漢方薬剤師1例・・・いらっしゃいました。
14年仕事をしてきた中でこれだけなので、数年に1人いるかいないかなんですが、何の生薬にアレルギーがあるかハッキリ分かれば、それを省いた調合にすれば大丈夫な場合もあるし、なんだか分からない方は、もう処方できない・・・という感じです。
漢方薬剤師・・・は、前々職の上司で、生姜と酸棗仁がダメって言ってました。
酸棗仁はともかく、生姜はかなりキビシイ
だって、カツオの刺身に何つけるんですか・・・
美味しいもの、何も食べられないじゃん・・・
社内の薬膳レストランで、生姜が入ったハンバーグを食べて救急車送りになったと言っていました(調合以外の仕事をやっていましたので、退職はしてませんでした)
漢方を調合するときに、生薬の粉塵を鼻から吸って、アレルギーになってしまうことがあります。私は、調剤薬局でバイトしていたときに子供用粉薬・・・ムコダインとか、テオフィリン、抗生物質のドライシロップなどのアレルギーになりかけました・・・なので、保険調剤の仕事は辞めて良かったです。
アレルギーになるのは、食べ物も同じで、口から摂るのと、鼻から吸うのとでは、免疫のメカニズムが異なるので、あらゆる粉塵は鼻から吸わないようにしないといけません。(最近の美容で鼻毛脱毛が流行ってるらしいけど、絶対
身体に悪いと思いますよ~
)
私も生姜の調合は必ずくしゃみがでるので、必ずマスクをするのと、調剤室に空気清浄機2台と換気扇をフル活動させています。
アトピーの方のうち、食物アレルギーが激しい方は要注意です。特に果物全般、キク科植物、マメ科植物に敏感で、食べると呼吸困難を起こすような重度の方は、漢方が制限されることがあります。
果物はナツメ、キク科は白朮、蒼朮、マメ科は甘草、黄耆などがダメになることがあります。食物アレルギーがそんなにひどくない方は、アトピーでももちろん大丈夫です。
香料アレルギーの方は、アレルギー検査表を見せてもらったら、オイゲノールがダメでした。
オイゲノールは桂皮の成分です。
大事をとって、この方には漢方を処方しませんでしたので、実際に生薬アレルギーがあったかどうかはわかりません。食生活が糖分取り過ぎだったので、その指導だけしました。
香料アレルギーや化学物質過敏症の方は、もともと人工の香りや化学物質が原因で発症するのですが、天然のものでも化学構造式が似ているので、自然の漢方やアロマもダメになってしまうことがあります。
特に、揮発性の香りが強い薬草は使えないことが多いです。建材で、良い香りのヒノキや杉もダメになってしまうこともあります。(ヒノキ風呂、入れないよ~)
茯苓、霊芝、よくいにん・・・など、ニオイがないものは大丈夫なんですけどね。
昔はアレルギーの人って、ほとんどいませんでした。
それは、丈夫な人しか生き残れなかったし、化学物質もないし、寄生虫はいるし、清潔でもありませんでしたから、免疫細胞は仕事が多くて、アレルギーを起こす暇がありませんでした。
清潔すぎると、ばい菌をやっつける仕事がなくて、暇な免疫細胞が余計なことをするんですって
だからアレルギー症状は、清潔な先進国の方が多いんですよ。
そんなわけで、漢方も現代人に合わせて使わないといけないんですね。