こんにちは
こだま堂の長峯です。
昨日は漢方の勉強会でしたので、府中店を早く閉めてしまってすみませんでした。
内容は、卵巣の老化について
卵巣の力を引き上げる治療は、主に4つあります。
①補腎
生命力の源「腎精」を蓄えておく「腎」を強化するための治療。
35歳以上、AMHが低い、E2低い、FSH高い、症状としては、足腰が弱い・疲れやすい、下半身の冷え・・・など腎が弱っている方に必要です。
②活血
卵巣に栄養を届けるために血流が良くする治療。瘀血の改善。
生理痛がある、肩こり、冷え性、子宮筋腫や内膜症、腺筋症、卵巣嚢腫など婦人科の病気がある方、過去に卵巣・子宮近くの手術をしたことがある方(盲腸なども含む)、性交痛がある方など。(癒着がある可能性が高く、瘀血になる)
③調肝
各臓器の働きを調節する「肝の気」を整える治療。肝鬱、気滞、肝火、肝陽上亢など。
PMS、自律神経失調症、更年期症状、イライラする、怒りっぽいなどを改善します。
④養心
精神を落ち着かせる治療。心血虚、心気虚。肝の治療と考え方が似ているところはあるかも。
不安、うつ、不眠症、焦りなど。
今回の勉強会でなるほど~と思ったのは、①補腎、②活血は、卵巣力を高める当然の治療として認識していましたが、③調肝、④養心は、肝と心の治療であって、もちろん明らかに症状があれば治療に組み込みますが、直接卵巣を強化する目的ではあまり考えたことがありませんでした。
中医学だけではなくて、心理学も専門の先生なので、患者さんの心理状態で大きく卵巣力が左右されることを、重視していらっしゃるようです。
③についてですが、肝はのびのびとリラックスした状態でないと、うまく他の臓器の気を動かすことができません。
肝の調子が悪い人は「怒り」の感情が生まれやすいです。
「あの医者はヤブ医者だ」
「あんた、ちゃんとしなさいよ」
「まわりがうるさい」
「こんなに頑張ってるのに」
実の怒りは他人に向くことが多いです。また、まだエネルギーがあるので、本人に直接ぶつける元気があります。
虚の怒りは自分に向いたり、間接的な人に向きます。元気が無くなっているので、直接言うことはあまりなく、我慢して怒っています。
はじめは実でも、長引くとだんだん虚に変化していきます。怒りの炎で精気を燃やし尽くしちゃうんですよね。
でもある種、怒りって「なにくそ~」と突き動かすパワーにもなるので、④の心が虚している人の方が重傷。
心の調子が悪いと、不安やマイナス思考になります。
「やっぱりダメだ・・・」
「どうして自分だけ・・・」
「授からなかったらどうしよう・・・」
こういう心の力が落ちている方が勿体ないのは、例えば「ずっと長く治療してきてやっと妊娠したけど、流産してしまった場合」
本来であれば、「やっと妊娠できるからだになってきた証だから、効果が出てきた」と喜ぶべきことなのに、「自分はやっぱりダメなんだ・・・
」とガッカリしてしまって、治療もやめてしまう・・・。
あ~なんて勿体ない
せっかく良くなってきてるのに
と本当に残念に思います。
もっと心の力をつける治療をしておけば・・・と後悔しきり。日本人は心血虚が多いと思います。(中国人は肝鬱気滞の方が多い。パワーあるもんね)
不妊治療をやめてしまって、ぜーんぶすっかり心の悩みがなくなると自然に授かることがあるのはそういう訳なんですよね
でもそれは、気血が回復出来た方だけ。気血が充実しなければ、肝や心がスッキリ伸びやかになることはできないので、なんとなくくすぶっている状態になってしまいます。
精神的に不安定な方は、「気血を補う」、「巡らせる」は、必須の治療ということですね。
あ、あとね、おしり、太ももの筋肉をよく動かすことは、子宮周辺の瘀血の人にすごくイイです。
実際、運動している人の方が早く妊娠します。
もも上げ、スクワットなら家でもできるしね。
今日からできますので、やってみてね