脱毛症って見た目に関わるので、お悩みは切実ですね・・・。
ちょっとした円形脱毛症もあれば、全身の体毛が一切抜け落ちてしまう重度の脱毛症の方もいらっしゃいます。
原因はよくわかっていませんが、ストレスが関係することが多く、またステロイドの治療で改善するケースがありますので、免疫の異常も関わるようです。
ストレスって抽象的なもので、何がストレス・・・って人によって感じ方も異なるので、基準を設けることはできませんし、困りものですね
ストレスで自律神経のバランスが崩れて、免疫にも何らかの異常を起こす・・・そんなところでしょうか
ちなみに自分も軽い円形脱毛症になったことはあります。(大学3年~4年の節目)
私の場合、10円ハゲ位で軽かったので、勝手に治りました。原因は間違いなくストレスですね(恥ずかしながら、3年次から4年に上がれるかどうか・・・のストレスです留年せず、上がれたので治ったのでしょうね)
なかなか治らない方は、漢方の出番ですよ
【症例1】
40代男性 円形脱毛症 病院でステロイド軟膏をもらっている。早く治したいので、漢方のご希望。
こちらの方は胃腸が弱い感じでしたので「柴胡桂枝湯」(さいこけいしとう)をご用意しました。
東洋医学的には、髪は血の余りなので、補血剤が良さそうなもんですが、ストレスが原因のことが多いので、柴胡剤がよく使われます。
大塚敬節先生の本にも脱毛症の記録がありますが、やっぱり小柴胡湯(しょうさいことう)を使っていて、柴胡を抜くと効果がない(髪が抜けてくる)・・・と書かれていました。
柴胡は疏肝(そかん)作用と言って、肝気の巡りを調整する働きがあり、ストレス気質の方には気を巡らす治療が良いのです
科学的に言うと、柴胡には、内因性ステロイドを増やす働きがあるようです。(ちなみにアトピー性皮膚炎の長期の体質改善にも柴胡剤は良く使います。自分で作るステロイドが一番なんですね)
こちらの方は、そんなにひどくもなく、病歴も短かいようでしたので、2カ月ほどで気にならなくなったようです。
ステロイド軟膏と漢方薬と、どっちが効果があったかわかりませんが、相乗効果で併用して良かったと思います。
【症例2】
30代男性 全身の脱毛症 病院でステロイドの注射などの治療を2年近く行っているが効果なし。
鍼灸も併用。(鍼灸で体調が良くなってきたが、生えるまでの効果は出ていない)
こちらの方には、同じく柴胡剤のひとつ「柴苓湯」(さいれいとう)と、活血剤の生薬製剤二号方(しょうやくせいざいにごうほう)を併用しました。
なかなか効果が出ないかもしれないから、ちゃんと続けてくれるかな・・・と心配でしたが、飲み始めてから肩こりが良くなり、鍼灸院の先生にも「前より血流が良くなった感じだね」と言われ、頑張って飲み続けてくれました。
飲み始めてすぐ・・・ではありませんが、3か月を過ぎたあたりから生え始めました。(ステロイド注射は併用。でも今までは効果がなかったので、漢方で生えてきたとのことです)
ただ、ここで漢方を止めてしまうと、また抜けてしまうことが多いです。
重度の脱毛症の場合、生えそろってきたな・・・と思ってから、最低半年~1年前後の継続が絶対重要です。
これは上記の大塚先生の本にも書いてありましたので、絶対に守ってください。
それを過ぎれば、飲みやめても大丈夫です。(こちらの方はきちんと継続中です)
ちなみにここでは柴胡剤の話ばかりでしたが、もちろん血虚が原因のものでは補血剤も必要でしょうし、人によって配合が異なりますので、ちゃんとご相談くださいね
※老化に伴う脱毛症はちょっと難しいデス年単位の服用は間違いないと思います・・・。(頭皮に優しいCACのシャンプー も使ってみてね)