冷え症・・・と言っても??? | こだま堂漢方薬局のブログ

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冷え症の方ってたくさんいますよね~。まぁ人のコト言えんのですけど汗


ホカロンを貼ったり、腹巻したり、生姜紅茶飲んだり・・・また何も自覚がない冷え症もいますね。


一言に「冷え症」と言っても、東洋医学的な分析ではいろいろなタイプに分かれます。


①血不足で血行不良が原因の冷え症タイプ


現代医学で言う「貧血」とは違いますのでご注意をビックリマーク東洋医学で言う、血不足「血虚」は、もっと広義な解釈ですひらめき電球「血虚」になると、顔色に血の気がない、肌が弱くなったり、髪が細くて抜けやすい、目が疲れやすい、爪がもろい、舌が白っぽい・・・叫びなどの症状が出てきます。身体が健康を維持する為の栄養がナイ・・・ような状態と言ったらいいでしょうか?

このタイプの冷えを改善するには、「補血」の薬草と「補気」の薬草を組み合わせて用います。なんで「補血」だけじゃないの?と思われそうですが、「血を作る気の力も落ちていて、血虚になった」と考えるので、「補気」の治療も必要です。


②瘀血で血行不良が原因の冷え症タイプ


「瘀血」(おけつ)は古血が停滞している状態です。「瘀血」のせいで、正常な気血の巡りが阻害されて、冷えにつながります。「瘀血」体質になると、肌にしみ・くすみが多い、生理痛や頭痛など痛み症状を起こしやすい、肩こり、冷えるけどのぼせやすい、舌が紫色っぽい、舌にしみがある・・・叫びなどの症状がでてきます。最近は「血虚」+「瘀血」の体質も多いですね。

「瘀血」はもちろん「古血を流して捌く」治療「活血」になります。しかし「血虚」の方に強い「活血」はできないので、そこの調節が治療者のサジ加減です。


③陽気不足で自力で身体を温める力がない冷え症タイプ


気不足「気虚」がさらに進行すると「陽虚」になります。このタイプの冷えはかなりガンコで、改善に時間がかかります。冷たいものは飲めない、身体の芯から冷えている、疲れやすい、お風呂に入ってもすぐ冷える、舌は濡れたような白っぽい色・・・叫びなどの症状があります。ご年配に多いですが、若い人でもいらっしゃいます。

「陽虚」になると、臓器も弱ってくることが多いので、ただ温める治療をするのではなく、弱った部分を補佐する治療を平行していかなければなりません。


④体に冷えた水が溜まっている冷え症タイプ


冷えた水が溜まっているのに温めようとしても、なかなか温まりません。冷えが先か、むくみが先か・・・はわかりませんが、治療する上では「水を捌いて温める」方法をとります。このタイプは、むくみやすい、胃のあたりでポチャポチャ音がする、乗り物酔いしやすい、めまい・ふらつき、唾液・鼻水が多い、尿が透明、舌がぼってりしている・・・叫び症状がでてきます。

ワタシもこのタイプですが・・・水を捌く漢方薬を飲むと胃の調子も良くなってイイですね。ポヨポヨぽっちゃりタイプはこの「水滞」タイプが多く、適切な漢方薬を飲めば、結構スムーズに痩せられますよラブラブ


⑤ごちゃごちゃ混合タイプ


上記のタイプが複雑にこんがらがって冷えているタイプです。どこから治療していくべきか・・・が難しいですが、一般的に悪いものが余分にある=「実」しているところを去りながら、不足しているもの=「虚」を補う治療になります。東洋医学では、季節なども考慮して方剤を選ぶことで、よりよい効果が望めます。


⑥番外!!


①ストレス「気滞」で冷えているタイプ。

このタイプは温める治療をしても、あまり効果がありません。「行気・理気」など気を流す漢方薬で改善します。

ため息が多い、ゲップ、胸苦しい、イライラする、気分がさえない・・・など、不定愁訴が多い、まさに現代医学よりも漢方治療が向くタイプです。このタイプは運動するのも大切ですね。


②ニセの冷えタイプ

「仮寒」と言います。本人はすごく冷えを感じるのですが、舌苔が黄色かったりなどの熱症状もある、なんかつじつまが合わないタイプです。上記の「気滞」とも似ているかもしれません。

「仮寒」タイプはニセの冷えなので、温める治療で余計に冷えが悪化すると言われています。滅多にお見かけしませんが、たま~にいらっしゃいます。神経が不安定な方が多いですかね~?「仮寒」と逆の「仮熱」という体質もあります。


③冷えを感じないタイプ

どのタイプに分類されるかは、分析してみないとわかりませんが、自覚がないけど体温が低い(36℃以下)、人に触られていつも冷たいと言われる・・・方がいます。タダでさえ他の動物より人間は体温が低いのに、それより低いのは異常ですよ!?自覚がなくてもちゃんと治しましょうねガーン


簡単に説明しましたが、他にも五臓の関係も含めると、冷え症と一言に言っても、各患者さんに合わせた漢方治療のアプローチは様々です。冷えは改善に時間がかかる症状ですが、自分でいろいろ気をつけているのに良くならない方は、漢方も考えてみてください音譜