愛の夢・・・20 | ブログ連載小説・幸田回生

ブログ連載小説・幸田回生

読み切りの小説を連載にしてみました。

よろしかった、読んでみてください。

 20

 

 夜半過ぎからの雨もようやくあがり、僕の快気祝いに、
 まず、S一家がチャイムを鳴らし、一郎君がケイに可愛くキスした。
 つづいて、優子さんと香さんが僕に手作りの大きなケーキをプレゼントしてくれた。
 ケイはこの時ばかりと料理に腕を揮っている。

 

 ヤスは日曜日のお昼、ランチ前にようやくシャンパンとワインを持って現れた、

 僕は6人の来客を前に、スピーチに立った。


 

「忙しい中、みなさんに来ていただいて、ありがとうございます。 

 検査結果は良好で、これからは新しい仕事を探し、
 ケイとの家庭生活を充実させていきたいと思います。
 今日は、存分に楽しんでいってください」

 

 ケイがクラッカーを鳴らし、ヤスがシャンパンを開けた。
 ヤスはグラスを持ち、

「ケンの快気を祝って」
 僕はなんだか、恥ずかしかった。

 

 周りに囃され、ケイと愛の口付けを交わす。

 ケイが一郎君の手を取った。


 

「わたし、ケンさんの子供を生みます!」

 

 周りから、やっさの歓声を浴びる。
 僕は席に着いても料理が喉を通らなかった。
 僕は珍しくワインに酔った。
 ケイは満面の笑みを浮かべ上機嫌だ。

 

「ケン、親父になるそうだな?」
 

 ヤスが冷やかし、Sが先輩として説教を垂れた。
 マリアさんが、

 

「ケイさんはリッパなママにナレマス、ダイジョウブです。
 コマッタラ、ワタシにソウダンにキテクダさい」
 ケイの作戦にやられた。



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