今回は『義左衛門』
3回目の投稿です。なんだかんだお気に入りの銘柄になってしまいました。
前回の『義左衛門』はこちら
http://ameblo.jp/kodaimaidouble/entry-12270816644.html
http://ameblo.jp/kodaimaidouble/entry-12265372282.html
さて、今回の『義左衛門』は『酵母伝』という毎年春先限定で発売される単一酵母で醸したシリーズで、今まで8種類出てきています。
(参考 若戎酒造様のHPより)
今回はそのなかでも特別な、まさにスペシャル中のスペシャルともいえる逸品だそうで、『酵母伝』なら春先に特約店で買えるものとはいえ、この番外編は『酵母伝』を扱っている特約店でも稀にしか置いてないそうです。まさに幻のお酒。
28BYに入ってから杜氏が変わり、新体制のなか生まれた試験的なお酒だそうです。
調べてみると、この三重県酵母MK-3という酵母は『而今』の五百万石にも使われている酵母だそうで、メロンのような薫り高い芳香が特徴なのだとか。
その『而今』は以前飲んだことがありまして、
こちらのリンクに書きましたが、香りは確かカプロン酸エチル系の青リンゴのような感じだったような。五百万石ならではの飲みやすさが光っていたお酒でした。
精米歩合60%の純米吟醸でアルコール分17度と原酒らしい濃さ。今回の『酵母伝』の使用米は不明。おそらく看板作品と同じく麹米に五百万石を用いたブレンドかもしれませんが。
ということは、おそらく前に飲んだ『而今』と同じ土俵の上のお酒ということか。かたや無濾過生原酒、かたやほぼ無濾過で中取りの生酒。
味はどうだ?
上立ち香からして、既に純大吟にも匹敵する上品な芳香。フルーツ系かな?
そして含んだとき……
メロンか?メロンだろ!
レギュラーの純吟にも感じられた青いメロンのような感覚をよりシャープに、より鮮烈に、より熟成させ、前面に出した結果がこれか!
他、桃やさくらんぼのような香りも。メロンの凝縮されたフルーティーな香りを基本骨子に、シロップ的な甘味を伴いながら広がっていく印象。
酸味は含むときにそこそこ感じますが控え目。でも写真でも分かるように微炭酸もありしゅわしゅわ感も。酸味の力を用いずとも香りとか味わいで蒸気が放射状に広がるかのような感覚。いや、新緑の若葉が萌えるかのよう。
後味の若干の苦渋で収斂させて切れるところに『義左衛門』らしさが出ています。
『而今』のほうが全体的に軽快だったかな?まぁ『而今』は居酒屋で飲んだので味や香気が飛んでいるおそれもありますけど。
あと、
「このお酒はどんな色に」
と付録の解説にありましたが、もしこの番外編に色をつけるのでしたら、僕なら「黄緑色」かな?
香りから発せられるメロンを想起するカラーに加え、若葉色とも称される新緑の若々しいエネルギー、そして色心理学的には活発さと優しさの両立を成す色でもあるからですね。
果たしてどんな色になるのか……若戎酒造様、もしこのページをご覧になられているのでしたら、あくまでこの意見は鵜呑みにしないで頂けたらとは思います。一意見というか妄想に過ぎませんので。