四国の落差100m以上の滝ベスト10 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<1位の滝は空前絶後の落差>

過去、四国各県随一や四国一の落差の滝を紹介したが、当時、落差が不明だったものも調べた上で、落差100m以上の滝のベスト10を落差順に発表したい。まさに「シコクドリル」的記事。

 

第10位・稚児ヶ滝・落差80~100m(香川県坂出市)

香川県一の落差の滝は言わずと知れた稚児ヶ滝だが、’00年代頃まで、落差は大雨等の後は「約100m」になると言われ、平常時の一段目の滝の落差は約30mとされていた。

しかし近年、自治体サイトでは大雨後の落差を「約80m」としている。滝の落差は再計測のたびに変わることもしばしばだが、大雨後について言えば、香川県一の大滝であることに違いはない。→詳細記事

第9位・東滝・落差約100m(高知県いの町)

「吾北のナイアガラ」と言われ、程野滝と総称される4ヶ所の滝の一つ。自治体ではこれらの滝の落差を「50~100mほど」としてきたが、「トトロ滝」の別称を持つ東滝は2番目の落差を誇り、落差は約100mとされる。

瀑布の間近に迫れる踏み跡があり、そこから仰ぐと圧巻。コースガイドは後述の西滝と同じ。

第8位・御来光の滝・落差102m(愛媛県久万高原町)

面河渓(仁淀川上流域)の上流に位置し、石鎚山系屈指の滝だが、’90年代までは落差87mとされていた。稚児ヶ滝とは逆に再計測して落差の数値が上がったケース。

昭和期までは面河渓からそのまま滝へ到るコースがあったようだが、平成以降、コースの起点が変更され、登山中級者以上でないと体力的に探訪できなくなった。が、そのコースには面河渓とはまた違った美しい光景が広がっている。→詳細記事

第7位・小金の滝・落差106m(高知県大川村)

近年まで「落差約100m」とされていたこの滝は再計測により、正確な落差が公開された。一段目と二段目の滝の落差の合計が106mだと思っている者がいると思うが、実際は四段目まである。

当方が探訪した頃よりは探訪者が増えている様子なので、コースの二ヶ所の分岐にもマーキングテープが付けられているかも知れないが、ピンクのテープだったら当方が付けたものだろう。→詳細記事

第6位・千段の滝・落差120m(愛媛県久万高原町)

落差120mでまだ6位なのだから、四国は山も谷も深い。面河渓支流の鉄砲石川(語源の「鉄砲石」も過去紹介済)の、そのまた支流に懸かる滑滝。

この滝の懸かる滑らかな川床は大きく蛇行しているため、ザイルなしでは最下部の滝までしか探訪できず、全容も拝めない。それでも周囲には鎧嶽に似た絶壁もあり、景観は良い。→詳細記事

第5位・加州谷の滝・落差120m以上(徳島県那賀町)

坂州木頭川の支流、加州谷の無名の滝で、ネット等では「加州谷の滝」と仮称されているが、以前も述べたように、旧木沢村の「滝王国」推進担当者はこれを滝とは認めておらず、「ただの谷」という認識でしかない。

しかし以前の記事で説明したように、地元住民は「名前は付いていないが、滝であることに間違いはない」と述べていた。それに滝の天辺から、滝の最下部に架かる旧国道の橋まで見通せる位の急角度。これを滝と言わずに何を滝と言うのか。この滝は平常時(大雨時以外)の落差では徳島県一ではないかと思われる。→コースガイド

第4位・西滝・落差約130m(高知県いの町)

程野滝最大の滝。以前も触れたように、明治期の古文書「皆山集」で落差が「高さ九十丈許」(落差約270m)と記されていたほどの巨瀑。滝の最下部の設定次第で落差は大きく変わるので、本当の落差は200m以上あるのかも知れない。

探訪コースは一段目の滝下を通っていたように思うが、晴れた日には虹も出る。→コースガイド

第3位・高瀑・落差132m(愛媛県久万高原町)

石鎚山系一の瀑布。程野滝同様、探訪者が比較的多い滝だが、台風等で林道が崩落すると探訪者は激減し、コースも整備されなくなる。その期間が何年にも及ぶことがある。

幅100mの岩盤から一直線に落下する滝は圧巻だが、降雨の少ない夏場は水量が少なくなり、滝が途中で霧状になる。その下でミストシャワーを浴びるのも夏の楽しみの一つ。→コースガイド

第2位・赤滝・落差150~200m(高知県本山町)

この滝を遠望する展望台はあるが、滝自体の探訪ルートは知られていなかった。そのルートと最下部の滝をネット初、当ブログで紹介した。

途中、渡渉箇所があるため、長靴を履いた方がいいかも知れない。渡渉後は林用軌道(森林鉄道)廃線跡を辿るのみだが、所々崩壊箇所があったように思う。→詳細記事

落差は「滝ペディア」では150mになっていたが、これは展望台から見える範囲に限ったものかも知れない。滝の懸かる岩盤自体の高さは高知新聞社刊の書籍にも記されていたように約200m。岩盤の最下部に懸かる滝が上の写真。

 

第1位・西又東滝・落差200数十m以上(高知県馬路村)

2位以下を引き離すダントツの落差を誇る無名の滝(滝名は当方による仮称)だが、加州谷の滝同様、地元の山岳ガイド等は「落差は50mほどではないか」と言っている。

しかし写真を見ても分かるように、西又山東方の尾根直下から滝は落下している。谷の傾斜から、加州谷の滝と同じく、谷=滝の超巨大瀑布。豪雨後は流れがもっとはっきりなるが、滝前の林道沿いは土砂崩れを起こし易いため、死を覚悟しておく必要がある。だから地元の山岳ガイドたちは、その豪快な巨瀑を目にしたことがないのだろう。→詳細記事

死ぬまでにこの10ヶ所の滝を探訪したい、という方は下のバナーを是非。

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