フェラーリBBやミウラを四国から見に行く(姫路市) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<スーパーカーの博物館>

コロナ禍の去年、西日本では旧車の展示施設が複数オープンした。一つは去年紹介した大洲市のホイール。今回紹介するのは、兵庫県姫路市トリノミュージアム。四国からも何とか日帰り可能。

 

トリノもホイール同様、カフェを併設しているが、トリノの方は運営が法人だけに、カフェも展示施設も洗練されており、且つ、トミカの旧車シリーズの一つ「トミカプレミアム」も販売している。

ホイールとの一番の違いは、ホイールが、国産車が主なのに対し、トリノはフェラーリを始め、外国の旧車のスーパーカーを主体としている「スーパーカー・ミュージアム」という所。全国には国産旧車展示施設は一定数あるが、スーパーカー主体の展示施設となると限られる。

 

更にトリノでは「スーパーカーの中のスーパーカー」も展示している。スーパーカー・ブーム時代、人気を二分したフェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー(BB)ランボルギーニ・カウンタックの他、ミウラまでも展示しているのである。

BBとカウンタックは共に最高速度が300キロを超えていた点も人気の理由の一つだったが、展示車両はBBの方がスーパーカー・ブーム時代、熱狂された356GT4BB(前期型BB)なのに対し、カウンタックの方は1989年製造の「アニバーサリー25」となっている。しかしBBと人気を二分していた時代のLP400は四国自動車博物館でいつでも見られる。

 

スーパーカーの元祖とも言われる車がランボルギーニ・ミウラ。1966年にこんな近未来的デザインの車が発表されたことに驚かされる。市販車で初めてV12エンジンを搭載したミッドシップ・カーで、最高速度は280キロを叩き出した。

展示車両はマイナーチェンジされる直前に製造されたP400ということらしいが、最初、トリノの公式サイトで見た時点ではP400Sかと思っていた。スーパーカー・ブーム時代なら確実に車種を見分けられたのだが、歳には勝てない(?)。

 

確か、40数年前、高知で初めて開催されたスーパーカー・ショーでは最終型のP400SVが展示されていた記憶がある。ヘッドライト周囲に「まつ毛」があるのがP400、更に「付けまつ毛」があるのがP400S、まつ毛無しがP400SVとなり、SVがイオタへの改造車両となった。

ところで、四国自動車博物館に以前、展示されていて、今は展示されてない車もトリノにはあった。その一つがフェラーリ308GTB。BBと比べると大人しく、サイズもやや小さいが、ディーノ246GTの後継車であるから、開発の方向性が異なる。308によく似た288GTOも展示されていた。

 

展示車のポルシェ930ターボ(911ターボ・タイプ930)も四国自動車博物館で展示されていた時期があったような気がする。他には、四国自動車博物館ではコンペティション・タイプ(レース用車両)が展示されている前期型フェラーリ365GTB/4デイトナの市販車も展示されていた。他の展示車は公式サイトで確認を。

これまで四国自動車博物館、ホイールの他、アクトランド(旧車は少ない)、福山自動車時計博物館、マビ昭和館と見てきた。大阪や九州の施設は未探訪だが、西日本で四国自動車博物館を超える旧車施設は存在しない、と断言できる。

 

それは以前も触れたように、四国自動車博物館は国産旧車とスーパーカーが程よい割合で展示されていること以外に、市販されていないコンペティション車両の展示、大人向けミニカーを大量に販売している点が挙げられる。運営者がネッツトヨタ南国だからこそ、できる「技」か。

 

是非、四国在住者もトリノミュージアムを訪れたし。→公式サイト

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