記紀伝説紀行(2)天照大神が休憩した岩屋 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

《倒れた私がとった行動とは》自然、戦跡、ときどき龍馬-モノレール沿いの天岩戸への道

天照大神の首飾りが発見された洞穴は、徳島県つるぎ町一宇の「天岩戸」上方の尾根にある、と言われていますが、天岩戸自体は7年前、登山初心者の中高年を78名位、引率して登ったことがあります。

 

その時、本来は剣山に登る予定だったのですが、徳島県に入ると雨が降り始めたため、高山では風も強くなるから危険だろうと判断し、急遽、行き先を変え、剣山へと向う国道沿いにある天岩戸に登ったのです。

 

その時、首飾りの洞穴を探さなかったのは、道もない所を雨の降る足場の悪い中、登山初心者を引率して行くのは危険だったからです。万が一のことがあれば引率者である私の責任になります。

 

そんな訳で改めてこの前の台風12号が四国を通過した翌日自然、戦跡、ときどき龍馬-天岩戸の道標とガレ場 、天岩戸を目指したのです。

 

天岩戸は地元では有名で、中の瀬バス停側に大きな看板が建てられ、そこから階段が貞光川へと下っています。

 

川には歩行者橋が架けられているのですが、台風の影響で川は轟音を立てています。

対岸に渡ると作業用モノレール沿いを上がって行きます。

 

地形図(剣山)の破線を見ても分かるように、道が貞光川の支流上方を南西に上がるようになると傾斜がきつくなります。

 

上方に来ると涸れ沢のようなガレ場となり、道標がなければ、どこがルートなのか分からないほど。恐らく、’04年夏の台風での沢の出水によって道に砂礫が雪崩れ込んだのでしょう。

 

泉を過ぎると前方と西方が開け、廃村・平井集落の古民家が見えて自然、戦跡、ときどき龍馬-道が消える藪 います。

ここで道標を見て、東に折れるのですが、ここからの道は地形図に記載されていません。

 

この道もすぐ涸れ沢のような状態になり、藪化して道は消滅します。7年間でここまで道は荒廃してしまうのか、というほどの荒れ方です。

 

ここで藪を避けて西の植林帯に逃げ、藪沿いを上がって行ったのですが、途中何度か藪に分け入ってみるものの、道の痕跡は発見されません。

 

この藪は両側の植林帯に挟まれる形になっており、藪の上の端まで斜面を登ったところで思案。

 

引き返そうと思っていたところ、藪の反対側の植林帯の下方の枝にピンクのテープが掛かっているのを発見。これはマーキング・テープに相違ないと思い、そこへと急斜面を降りると、案の定狭い道がありました。自然、戦跡、ときどき龍馬-鬼の岩屋

 

東方へと植林帯の中を行く道は途中から、急勾配になります。

前方上の岩尾根に乗ると道標があり、天岩戸とは逆方向の北には「鬼の岩屋」の案内板が建っています。

 

これは以前、記憶になかったのですが、天照大神がご休憩された岩屋だと解説されています。複数の巨岩が折り重なったもので、下方に岩屋の入口がありますが、そこをくぐると身体が泥だらけになるので、反対側に降りられる所がないものかと探すと、岩の北から斜面を下りられるようになっています。

 

岩屋の下方に回りこむと、岩屋の空間の真ん前に出られました。まさに目の前で紀元前、天照大神がお休みになられていたのです。

 

恐らく、貞光川沿いの集落から天岩戸へ登られる途次、ここでご休憩されていたのでしょう。

 

地形図ではこの岩屋のある辺りは、破線が自然、戦跡、ときどき龍馬-天照大神の休憩所跡 尾根の西下を迂回していますが、その迂回路は既に廃道化しており、尾根(「岩屋尾根」と言う)を直上する尾根道しかありません。

 

尾根道は上に上るとほどなく尾根を東に逸れ、以降、概ね、尾根の東直下を進みます。しかしまたもや急坂。が、まさしくこの道は古代、天照大神が往来された道なのです。感動もひとしお。

 

傾斜が緩くなると前回触れた廃屋が現れ、私はえずいて倒れることに。

雨もポツポツと降り出しています。この時もよっぽど、引き返そうかと思ったのですが、「兎に角死ぬまで登ろう」と思い直し、歩を進めます。

 

ほどなく鳥居が現れ、石段状の伏せ石を上って行くと、いきなり地形図には記載のない道路に出ました。向かいには再び鳥居が立っています。

 

取り敢えず鳥居の上にある天磐戸神社まで上り、そこで社殿に向って

「今回は体長が悪く、きちんとお参りできる状態ではございませんが、次回、改めてお参りさせて戴き、天岩戸に登らせて戴きます。」と申し上げ、もと来た道を引き返したのでした。

 

次回、天岩戸と「首飾りの洞穴」を訪れるのはいつになるか分かりませんが、その時、果たして大神は私を受け入れてくれるのでしょうか。それともまた私の身体に異変が起こり、そして今度は・・・・・?

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