自然探勝やアウトドアが趣味の方なら一度は見たことがある「雲海」。この発生メカニズムもみなさんご存知かと思いますが、念のため簡便に解説すると、日中、一定以上の標高の山の斜面が日光により暖められると、その夜、その斜面に滞留していた暖かい空気は冷えて麓へと下ります。
翌朝、前日との気温差が大きい場合、この「放射冷却作用」によって霧が発生しますが、これが雲海となるのです。主に10~2月頃、見られます(高山はほぼ年中)。
一方、海上に雲海が発生することもありますが、この場合、夏場の早朝にも現われます。海面温度とその上を流れる空気の温度差により発生するのです。「海霧」とも呼ばれます。
(1)瓶ヶ森からの石鎚山雲海(愛媛県西条市
)
瓶ケ森は西条市と高知県いの町との境界付近(山頂は西条市側)に位置する、四国では「超高山」の部類に入る石鎚山系の標高1896mの高峰。
これがもし関西や中国地方であれば、このクラスの標高の山は、ベテラン登山者でないと登頂できないのですが、石鎚山より東の山々は、高所を東西に走る「瓶ケ森林道(いの町側の町道)」があるため、一般観光客でも僅か30数分の登山で瓶ケ森に登頂できるのです。
景観も優れており、「氷見二千石原」という白骨林が立ち並ぶ笹原の大平原はまさに「四国アルプス」。
林道(舗装道)沿いには「山荘しらさ」があり、ここで宿泊すると翌朝、雲海を見ることができます。雲海に浮かぶ石鎚山(一枚目画像右奥)は格別。
尚、林道は一車線のため、観光バスは通行できないのでマイカーかレンタカーで。
また、山荘しらさの南西にある伊吹山(1503m)は、最短コースではなんと5分で登頂できます。
もちろん逆に本格登山ができる山や、垂直の崖を鎖で登る山もあり、登山初心者からベテランまで、楽しむことができます。
八ヶ岳は言わずと知れた、標高2899mの超有名高山。私が20年近く前、この山に登ろうと思ったのは、「アクセス」が良かったため。
当時、私は関西に住んでいたのですが、大阪・梅田から茅野市までの高速バスがあり、茅野市に着いてから、路線バスに一回乗るだけで、八ヶ岳の登山口手前まで行けるのです。梅田から僅か一回の乗り換えで、もうそこは別天地。
当時美濃戸口コースの林道終点の登山口周辺には三軒の山小屋があったのですが、最奥の山小屋(美濃戸山荘)は登山客を囚人扱いするほどひどいので(ザックを部屋に入れることすら許されない)、避けるべき。但し、主人が代替わりをしていれば問題ありません。
二日目は山頂北方の「赤岳展望荘」に宿泊。ここに宿泊したのは、山頂の山小屋は混む可能性が高いと思ったから。その日は六月下旬の平日だったのですが、宿泊客は私以外には一人だけで、一緒にコタツ(夏でも高山の夜は「冬」)で酒を酌み交わしました。山小屋はこういう「仲間意識」が魅力の一つ。
翌朝は雲海の海原が現われます。
瀬戸内海の雲海も近隣の方々にはよく知られています。
私は特に雲海を見ようと思って行った訳ではなかったのですが、大三島インターの西方上にある「立岩展望台」前で車中泊した翌朝、それは出現していたのです。
中央に見える二本の橋脚は、大三島と尾道市生口島を結ぶしまなみ海道の多々羅大橋。背後の山は生口島の観音山。この雲海の中を車で突っ切ったら、どんな心地でしょうか・・・・「前が見づらい」という心地でしょう(?)。
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