先週末に実施された2つの全日本選手権について解析を試みた。
Road to The A1 今年は東日本勢が決勝を占拠した!シリーズ①
【第14回全日本大学選手権ファイナル4】
① 名古屋ラウンド
<男子>
日本体育大学(関東1位) vs 南山大学(東海1位)
南山大学はゴーリーが2年生以下、3年生以下の若い選手が多く出場するチームながら、堅いDFを起点にブレイクを決め切る形で東北大学戦も勝ち抜いてきた。
一方の日本体育大学は、攻撃陣がパワフルな印象はあるが、シーズン後半に掛けて、守備においても強さを発揮し、リーグ戦プレイオフ2試合をともに延長サドゥンヴィクトリーで勝ち抜き、全国大会1回戦では北海学園大学を1点に抑え込んで名古屋に乗り込んできた。
<1Q>
FOを取りポゼッションを固めた南山大学が、2マンアップのチャンスにエキストラATの3番深谷選手が鮮やかにミドルショットを決めると、守備でも日本体育大学の攻撃をつぶして優位に試合を進める展開に持ち込んだ。
白 左端 南山大学3番深谷選手
しかし、その後の攻勢も、日本体育大学ゴーリー26番川本選手の3セーブに阻まれ流れを作り切るところまで行けなかった。
セーブを決める日本体育大学26番川本選手
<2Q>
それでも2Qに入っても、南山大学の多彩な守備が日本体育大学の攻撃を乗せず、有効なショットを限らせて
青 日本体育大学18番尾上選手の豪快なショット
南山大学の若い選手も躍動し
白 南山大学9番夜久選手(2年生)も得点する
前半を南山大学がリードして終えた。
<3Q>
ハーフタイムで、南山大学の守備への対応が指示されたのだろう。さらにパワフルで速いルーズボールへのアプローチでグラボを支配した日本体育大学がポゼッションを制し、ショットを浴びせこのクォーターを制圧する。
日本体育大学18番尾上選手の スーパーミドルショット
日本体育大学7番後藤選手の裏カムショット
ここでこの試合のSTATSを見てみよう
第3Qの日本体育大学の制圧ぶりがよくわかる。しかし満山大学側からすれば2点差で踏ん張ったという事が言える。
2年生ゴーリー1番後藤選手のセーブはこのクォータだけでも7個だった。この踏ん張りがなければ大敗の危機だった。
<4Q>
日本体育大学の勢いは変わらず、早いタイミングで、速いショットを畳みかける。21番渡邊選手の豪快なジャンピングショット
もあった。しかし、南山大学は切れずにブレイクを重ね速攻からエース28番伊藤選手がミドルショットを決めて5対3と追い上げる。次の1点が勝負の分かれ目になる展開だった。
白 右端南山大学28番伊藤選手
しかしその後は日本体育大学の、厳しいグラボ対応によりショットの機会が得られず、
日本体育大学7番後藤選手に3点目を決められて万事休した。
☆こぶ平’s Eye
データを見ると一方的な試合にも見えるが、南山大学の守備は効果的で、多彩な守備は関東にも、どこにも見られないユニークなものだった。
例えば、1Qでは日本体育大学のショットを打ちにくくする守備対応をしながらゴール裏にあえて守備をおいて、オーバーショットのチェイスを奪いきる等。
1Q南山大学の守備シフト
関東に迫るための方策は取られていたし、多くのショットを浴びながら接戦に持ち込んだのは注目に値する。
惜しむらくは、グラボに対する速さ強さ(体の)、ショットのスピードに差があった事だ。
勝ち切るために、何をどこまでやれば良いのかの回答は、達成してみないとわからない。しかし、日本体育大学は昨年1部で全敗。2部との入れ替え戦を戦ったチームがここまでの強さを獲得できたことを考えると、その強さは獲得し得る物だと言える。
南山大学は2年生のゴーリーズに象徴されるように若いチームだ。来年逞しく、関東を凌駕するラクロスを獲得して全国大会に戻ってくる予感がする。
☆トリビア①
南山大学男子ラクロス部のエース背番号は28番のようだ。其の起源は、今のHC長島氏が背負って活躍した時にあるらしい。そういえば、2023年日本代表でFALCONSで28番を背負う奥村選手も南山大学出身だ。
☆トリビア②
この試合メインゴーリーとなり1Qのピンチを救い、日本体育大学に流れを持ってきたゴーリー26番川本明徹(あきと3年生)選手はリーグ戦の選手カタログにも、全日本大学選手権のカタログにも名前が載っていない無名戦士だ。
Bチームから直前に昇格して最高の守備を見せた川本選手にはこれからも注目したい。
以上 全日本大学選手権ファイナル4 男子
南山大学 vs 日本体育大学 詳報でした
やっぱりラクロスは面白い!!
こぶ平
#GoA1
#ブリスベンにも連れて行って